ダイハツによる不祥事の影響を受け、長く生産停止が続いていたダイハツ「ロッキー」/トヨタ「ライズ」/スバル「レックス」。ガソリン車については、2024年3月に生産が開始となっていたが、ハイブリッド車についても、2024年7月17日に再開されることになった。受注も順次再開しているようだ。
2023年の販売台数は、ロッキーが15,252台、ライズが64,995台、レックスが2,832台。ロッキーはダイハツの登録車でナンバーワン、ライズに至ってはコンパクトSUVカテゴリにてダントツ1位の売れ行きだ。ロッキー/ライズ/レックスは、何がよくてここまで売れているのか。生産再開を機に、改めて振り返ってみよう。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA、DAIHATSU、SUBARU、エムスリープロダクション
SUVらしい堂々としたデザインや最新モデルらしい充実した機能を搭載しながら、171.7万円から購入できる!!
5ナンバーサイズとは思えない、迫力のある存在感や力強いフロントグリルなど、SUVらしいアクティブなエクステリアデザインをもつロッキー/ライズ/レックス。インテリアもプラスチック素材は多いものの、シルバーの加飾がアクセントとして施されていることで上品に仕上がっており、LEDデジタルスピードメーターや7インチTFTカラー液晶ディスプレイ(マルチインフォメーションディスプレイ付)、9インチの大型ディスプレイオーディオなど、最新モデルらしい機能が充実している。四角いボディのため視界がよくて運転がしやすく、小排気量エンジンながら軽量であるために発進時の加速は十分に力強く、ガソリンモデルであっても燃費(20.7km/L)はよい。それでいて171.7万円(ライズ)から購入できるという、「良品廉価」ぶりが最大の魅力だ。
また、このたび生産再開が決まったハイブリッドモデルの出来も素晴らしい。1.2Lエンジンを発電専用とし、100%モーターで駆動するシリーズハイブリッド方式で、低・中速での走行に強く、街乗りでは快適な走りを味わる。シリーズハイブリッド方式ながらユニットが小型かつ軽量であることで燃費が素晴らしく、WLTCモード燃費28.0km/Lは、コンパクトSUVのトップベンチだ。
小回り性能はピカイチ!! 右足フットレストも評価したい!!
また、小回り性能も素晴らしい。195/60R17外径666mmというタイヤで、最小回転半径5.0m(カタログ値、16インチ車は4.9m)を達成していることは、設計部隊の細やかな仕事ぶりの賜物だと思う。ライバルであるスズキの「クロスビー」や「イグニス」は最小回転半径が4.7mだが、クロスビーもイグニスもタイヤ外径が616mm程度と小さく、もう少しボディサイズが大きくなるトヨタ「ヤリスクロス」やホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-3」は最小回転半径が5.3m。コンパクトカーにおいて、小回り性能を突き詰めることは大きな魅力につながる。エクステリアデザインを最大限魅力的にみせつつ、ここまでの小回り性能を実現させたことは素晴らしいことだと思う。
細かいところで筆者が気に入っているのが、アクセルペダルの右側にあるフットレストのようなスペースがあることだ。ACC作動時に、置き場のない右足をのせることができる。安全上、メーカー自ら「フットレスト」とよぶことはしないらしいが、ドライバーの疲労軽減に配慮したいい設計だと思う。右足フットレストは、国産車ではほとんど見られないが、ACC作動時に両足をフットレストに踏ん張ると腰への負担が軽減されるように感じるので、ロッキー/ライズ/レックスを所有されている人はぜひ活用してほしい。
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