巨匠が秘話を交えて”ランボルギーニとフェラーリ”について激白!! 【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

■オープンと日本人

(読者の方からの、「日本人はオープンカーになじみがないというか、コンプレックスがあるように思う。日本でオープンカーが受けない理由は何だと思われますか?」と問われて)

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 私はいつも考えます。クルマは何人乗るか? 答えは2人が圧倒的に多いでしょう。そう、私の場合2人が多いのです。

 それ以上の人がいたら、タクシーにするとか別な方法を考えるのです。幸いなことに東京はタクシーがすぐ捕まりますし、多人数では近くにしか行かないものです。

 オープンは埃っぽいですし、女性には好かれません。しかし、私は一人の時はオープンがいいと思います。ただし、仕事は別です。例えば、自動車の試乗会に行く時は友人のサルーンで行きます(やはり、オープンでは会話が難しいことがあります)。

 今や日本はどこヘ行っても街路樹があり、ある程度陽を遮ぎってくれます。だから私は、オープンで不便はないのです。

■いすゞのフラッグシップ

いすゞ・ステーツマンデビル…伊藤忠商事の仲介でGMと資本提携したいすゞがラインアップ強化のために投入した高級モデル。中身はオーストラリアのホールデン社のステーツマンで、ドアミラーをフェンダーミラーにするなどして販売したモデル。マツダのロードペーサーは姉妹車となる
いすゞ・ステーツマンデビル…伊藤忠商事の仲介でGMと資本提携したいすゞがラインアップ強化のために投入した高級モデル。中身はオーストラリアのホールデン社のステーツマンで、ドアミラーをフェンダーミラーにするなどして販売したモデル。マツダのロードペーサーは姉妹車となる

(読者の方からの、「私の叔父は姉妹車のいすゞのステーツマンデビルに乗っていた記憶があります」という話題から)

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 いすゞとGMの提携で販売されたステーツマン・デビルは、いすゞの高級車ベレルが販売不振によって生産中止になったことを受けて、いすゞが高級車に再度チャレンジしたクルマです。

 オーストラリア生まれのこのクルマには私もV8が似合うと思います。

 ロードペーサーのロータリーは確かにスムーズでしたが、どうしてもガスイーターでした。ステーツマン・デビルのV8も燃費はよくありませんが、トルクがあって乗りやすかった記憶があります。

 当時のロータリーの技術ではしかたなかったかもしれません。今ならもう少し走ったと思います。

 いすゞもマツダもフラッグシップがどうしても欲しかった、つまりそういうことでしょう。きっと両社にとってほろ苦い想い出ですね。

■TPPで何が変わる

(当時交渉が進められていたTPPについて、どのように思うかを問われて)

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 トランス・パシフィック・パートナーシップの件ですね。 

 今、世界中でマーケットを取り囲むことがいいと思っているみたいですね。しかし、これもやがては行き過ぎと反省することになるでしょう。消費者にとってはものが安く手に入る可能性が高くなります。あるいはいろいろなものが入ってきて、選びやすくなるかもしれません。

 しかし、これも一時のブームでしょう。やがて世界がひとつのルールでフェアにビジネスするようになると思います。一国やひとつの地域だけがいいというものでもないでしょう。せめて、皆さんは冷静になって考えてほしいと思います。

■スズキとダイハツ

(読者の方からの、「ダイハツとスズキはどのくらい前から、お互いをライバルと思っているのでしょう?」という質問に答えて)

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 日本の乗用車メーカーは8社ありますが、そのいずれもがライバルだと思っているでしょう。特にトヨタ、日産以外のスバル、マツダ、ダイハツ、スズキ、三菱、そして軽自動車が絶好調のホンダとどれもしのぎを削っています。ただし、おのおの強いエリアがあって、スバルは東で強く、マツダ、ダイハツは西で強い印象があります。

 全国的に見ればやはり、スズキとダイハツは一番のライバルでしょう。両社の競争が激化したのは、軽のボンネットバンとして大ヒットしたアルトとミラからでしょう。1980年頃だったと思います。もちろんフロンテとフェローなど、その前から意識はしていたと思います。

 軽自動車では最近、ホンダが伸びてきていますが、地方の国道を走っていると、小さい販売店を数多く見かけますが、その多くがスズキとダイハツです。毎日、毎日、販売会社はシェア争いをしているはずです。1台あたりのもうけは、小型車よりも少ない軽自動車だけに数多く売らなければならずしんどいですね。

 この厳しい競争があって、こんなにすばらしい軽自動車が進化してきたのです。これからは、ホンダはもちろん、日産も軽自動車に力を入れてくるので、さらにいいクルマができ上がると思います。

スペーシアとタント…あれほど広くこれ以上はムリと思われたタント以上のスペースユーティリティを獲得したスペーシア。このことからも、スズキとダイハツが常に意識しあい、軽自動車が進化していくことがわかる
スペーシアとタント…あれほど広くこれ以上はムリと思われたタント以上のスペースユーティリティを獲得したスペーシア。このことからも、スズキとダイハツが常に意識しあい、軽自動車が進化していくことがわかる

■徳大寺有恒の「俺と疾れ!」リバイバル特集

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