クルーズコントロール設定速度の自主規制撤廃!
いっぽうで速度設定がらみの話では、現実のオートクルーズ機能が設定速度を含めて充分役に立つのかという議論については、どうやら収束に向かいつつあるようだ。
事の経緯を辿れば、2019年1月に警察庁は、新東名高速道路 新静岡IC(インターチェンジ)~森掛川IC、東北自動車道 花巻南IC~盛岡南ICで行っている規制速度110km/hの試行区間について、3月1日から現試行区間の規制速度を120km/hに引き上げると発表した。
警察庁は今回の試行で一定の安全レベルを確保できたと判断して、規制速度120km/hの試行を実施。
これを起因とするような交通事故実態や実勢速度の変化などを分析した上で、他路線・区間への拡大を検討するとしている
クルーズコントロール機能で誤差が広めに必要なのは、実際に路上を走るうえでは当然といえる。
以前のオートクルーズの設定上の最高速度が115km/h“だった”というのは、高速道路の120km/hという最高速度規制に準じたもので、かつての自動車メーカーによる“280馬力規制”がそうだったように、日本の自動車メーカーが“自主的”に実施してきたものだ。
最近ではADAS(先進運転支援システム)と呼ばれる、先行車追従型オートクルーズコントロールに関して、スバルのアイサイトは115km/hながら、同ツーリングアシストは新東名高速道路の最高速度120km/hに合わせて135km/hに設定されている。
実際の路上での先行車両の追随機能が高度化しており、現実には輸入車ではオートクルーズ機能において180km/hを超える車速設定が可能なモデルもあるのだから、融通を利かせてもよいだろう。
他の例としては、2017年3月に発表されたレクサスLCでは、設定速度の上限が日本国内の仕様として初めて180km/hに設定され、トヨタブランドとしては、同年7月に登場したカムリが180km/hと速度リミッターの作動域まで引き上げて設定されている。
このように、従来のクルーズコントロールが115km/hの設定上限のままでは120km/h区間では使いづらいことが明らかになったことで、自動車メーカーによる自主規制が自ずと用をなさなくなったといえる。
自動車メーカーがお上の要望で“自主規制”すれば、必ずグレーゾーンが発生することはいうまでもなく、自動車メーカーは肩肘張らずに“情報開示”してもよいのではないだろうか。いずれにせよ、ドライバーの速度選択については、自己責任であることは明らかなのだから。
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