新車を買う時、同じ車種なのに、グレードによってタイヤサイズが2、3種類あったりして、グレード選びに迷ったりすることありませんか?
いったい、どのタイヤサイズがその車種の適正サイズなのでしょうか?
またインチアップする時に注意すべきポイントや弊害はどのようなものがあるのでしょうか? モータージャーナリストの高根英幸氏が解説します。
文/高根英幸
写真/ベストカー編集部 ベストカーWEB編集部
その車種の適正サイズを見極めよう
夏はタイヤのパンクが多い季節だ。2019年7月のJAFの救援データを見ると、過放電バッテリー(1位:5万262件、全体の28.69%)に次いで、3万6719件で2位(全体の20.96%)となっているのが、タイヤのパンク、バースト、エア圧不足である。パンクに気付かず走行してしまい、タイヤ&ホイールをダメにしてしまうケースもある。
その理由にはクルマの信頼性が向上したことで空気圧管理まで忘れがちになっていることや、乗り心地や操安性の向上でパンクや空気圧低下にドライバーが気付きにくくなったという部分もある。
さらに、インチアップして低扁平タイヤを履かせたことでパンクや空気圧不足に気付かず走行を続けてしまうドライバーが増えていることがある。これはインチアップというカスタムのデメリットともいえるだろう。
タイヤホイールは、クルマを楽しむオーナーにとって自分のこだわりが示せるアイテムだ。路面と接している最も大事な部分ながら、ホイールのデザインやブランド、タイヤのサイズや銘柄など、オーナーの好みが反映できる要素が大きいからだ。
昔はまずクルマを購入したらアルミホイールを履き替えるのが定番(それ以外の改造が禁止されていたことも理由)だったが、純正のアルミホイールも軽量化、デザインの洗練が進み、今では純正にこだわる人も多いのも事実。
それくらい純正のタイヤホイールは、自動車メーカーの開発エンジニアやテストドライバーがじっくりと試して、車種によっては専用タイヤまでタイヤメーカーと共同開発することもあるほど。チーフエンジニアや操安担当のエンジニアも、当然タイヤにはこだわっている。
しかし純正タイヤでもサイズにバリエーションがあるクルマも多い。これはユーザーにとって、迷う原因の一つに違いない。けれども車種によって適正なタイヤサイズが存在するハズだ。
そもそも純正のタイヤサイズはどうやって決まるかというと、車重やボディサイズ(ホイールハウスに使えるスペース)、エンジンのトルク特性、車両総重量状態でのブレーキ性能、乗り心地、燃費、操安性、コスト…など、さまざまな要素から、そのクルマを開発するチーフエンジニアが決定している。
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