日産ノートの適正タイヤサイズは?
まず日産のノートを例に挙げると、ガソリンエンジン仕様のノートの標準タイヤは185/70R14だ。それに対してオプションで185/65R15が用意されている。
そして、ノートe-POWERは185/65R15が標準タイヤだ。これはe-POWERのほうが車重が160~200kgも重く、走行中のタイヤに掛かる負担が大きくたわむ量も増えるので、ケーシング剛性の高い低扁平タイヤを選択しているのだ。
またスチールホイールの場合、外径が大きいと重くなってしまうので、ガソリンエンジンのノートはコストも考えて14インチを選択しているという事情もあるだろう。
こうした条件で考えると、組み合せるタイヤの銘柄にもよるが日産ノートの場合、最適なタイヤサイズは185/65R15で軽量なアルミホイールを組み合せた仕様と言えそうだ。
もっとも乗り心地や走りの軽快感を優先して、ノートe-POWERのタイヤを後から、ノートのガソリン車に標準設定されている185/70R14タイヤに交換するのもアリと言えばアリだ。ただし、ノートe-POWERに185/70R14タイヤのオプション設定はない。
ロードインデックス( タイヤ1本で支えられる、規定の条件下での最大負荷能力=最大耐荷重) は同じ(純正タイヤの場合)なので、強度的には問題ない。
ちょっと個性的なアルミホイールを履いてインチダウンさせるカスタムの手法もあるし、タイヤのケーシング剛性(サイド剛性)が高いスポーティなタイヤを組み合せることで、より走りと燃費を両立させることもできるだろう。
ちなみにノートではノートNISMOは195/55R16が標準で、ノートNISMO Sは205/45R17(NISMOにオプション設定)と、さらにタイヤホイールがインチアップされている仕様もある。
これらは足回りやボディ補強などといった専用チューニングが施されており、タイヤホイールの剛性アップに足回りやボディが負けないため、タイヤ本来のパフォーマンスを発揮できるし、乗り心地も確保できている(といっても硬めではあるが)のだ。
インチアップの功罪
タイヤホイールを交換しようとするなら、純正タイヤよりインチアップしたいと思うユーザーは多い。少々飽きがきたクルマも新しいホイールを履くことで新鮮味が取り戻せるものだ。
ドライバーの好みもあるが、やはりクルマによってインチアップしても限度はある。ここでは適正なインチアップについて考えてみよう。
前述の通り日産ノートe-POWERの標準タイヤサイズは185/65R15(ノートのガソリン車は185/70R14)だが、外径が少々大きくなるが、物理的には215/35R19まで履くことは可能だ。
しかしタイヤハイトは極端に薄くなるため、3年程度で乗り換えてしまうような飽きっぽいユーザーならともかく、長く乗るならクルマのダメージを考えると、ホイール径は17インチまでにしておいたほうがいい。
そうなると225/40R17を選ぶユーザーもいるだろうが、205/45R17を選んだほうがバネ下が軽く、タイヤ代も安くなる。扁平率が高いと見た目がカッコ悪くなると思う人もいるが、タイヤ幅が細いので実際のタイヤハイトはほとんど変わらない。
タイヤが重く大きいとドタドタした動きになって、乗り心地も悪化する場合もあるのだ。接地面積がやや減るので、グリップ力を高めたいなら225だが、そこは銘柄でもカバーできる部分だ。
ホイールの種類は限られるが、195/55R16や205/50R16のほうがボディやサスペンションには優しいので、乗り心地や軽快感も重視したいなら、ホイールの選択肢は限られる(16インチは種類が少ない)が1インチだけのアップも考えてみることをお勧めする。
また、タイヤの外径は純正サイズとほぼ同等にするのがセオリー。これは外径が変わってしまうと変速機やホイールの回転から検出している車速信号が実際の車速とズレてしまい、スピードメーターや燃費計の数値に狂いが生じてしまうからだ。
さらにADAS(先進運転支援システム)を装備しているイマドキのクルマは、車速信号が非常に大事なパラメータなので、衝突被害軽減ブレーキの確実な作動などを考えれば、無闇に外径を変更すべきではない。
もっと言えば、同じタイヤサイズでも銘柄によって実際には外径やタイヤ幅が微妙に異なるので、そのあたりも注意してタイヤ選びをすることだ。
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