ホンダにしてみれば「勇気ある大振り」なのかもしれないが…… クラリティPHEVはなぜ絶望的に売れないのか?【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

■俺は出たくない! という心の叫びが聞こえた気がする

 とまぁ、好きなことを言ってきたわけだが、一番言いたいのは「こんなところに引っ張り出されて、クラリティPHEVがかわいそうだった」ということだ。

 普通、ヒット車や話題の新車が出てくる連載なのに、わざわざ月に1台しか売れてないクルマを持ってきて傷口に塩を塗る。

 クラリティPHEVにしてみれば「俺はこんなところに出たくない。そっとしておいてくれ」と思っていたことだろう。

 出たくないと言っているのに引きずり出した飯干さんは悪魔だ。多忙な毎日の憂さをこれで晴らそうという悪魔の所業だ!

特に印象に残らないが、走りが上質で魅力的なのは認める。それだけにもったいないと思ってしまう
特に印象に残らないが、走りが上質で魅力的なのは認める。それだけにもったいないと思ってしまう

 クラリティはホンダ青山本社の駐車場から出たくなかったはずだ。発進する時に、おそらく4回はエンストしたに違いない。

 不倫がバレた芸能人の記者会見みたいなもので、「俺は出たくない、やりたくない!」と叫んでいたはずなのだ。

 あるいはまた、カラオケが苦手だと言っているのに部下に強要されて、内山田洋とクールファイブの『そして、神戸』を歌ってドン引きされた部長さんのようでもある。

「だからイヤだと言ったんだ」とつぶやいてももう遅い。黙り込んだ部下たちに下を向かれたまま席に戻る悲しさと寂しさ。

 これはもう、完全に飯干編集長が悪い。今度クラリティPHEVがベストカーの誌面に出てくるのは、きっと「生産中止車情報」だろう。

1.5Lエンジンを発電中心に使う2モーターi-MMD(現在はe:HEVに名称変更)ハイブリッドシステムを搭載し、フル充電時にはWLTCモードで101kmものEV走行を可能としているが、ハイブリッド走行でのWLTCモード燃費は24.2km/Lとなる
1.5Lエンジンを発電中心に使う2モーターi-MMD(現在はe:HEVに名称変更)ハイブリッドシステムを搭載し、フル充電時にはWLTCモードで101kmものEV走行を可能としているが、ハイブリッド走行でのWLTCモード燃費は24.2km/Lとなる

 その時にも今回の写真が使われるのだ。傷心のクラリティの隣でおどけているテリー伊藤。編集長に代わって、今からクラリティに謝っておく。こんなところに呼んですまなかったと……。

 最後にひと言。私なら、クラリティPHEVを買うならテスラを買う。未来のクルマには「大振りの精神」が必要なのだ。次のチャレンジでは、そこを忘れないでほしい。

●テリー伊藤 今回のつぶやき

 クラリティPHEVはかわいそうな被害者だ。この連載に引きずり出した編集長が悪い! 私が代わりに謝る……。

【画像ギャラリー】ひとことで言えば「もったいない」…!!! ホンダ クラリティPHEV試乗の様子をギャラリーでチェック!(9枚)画像ギャラリー

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