「残価設定ローン」は、高額な車両であっても月々の支払いを抑えることができるため、憧れのクルマに手が届きやすくなるもの。ローン期間後もそのクルマに乗り続けようと再ローンを組むことも可能なのだが、実はこの時の金利は残価設定ローン時のものよりも高いものとなるのが一般的なのだ。
文/小鮒康一:写真/トヨタ
■残価設定ローンのご利用は計画的に
残価設定ローンの残価率は車種によってまちまちで、一般的な残価率は5年のローンの場合で車両本体価格の30%前後が平均と言われているが、人気の高いランドクルーザー70などでは5年でも50%近い残価率を誇っているとも言われている。
つまりこの場合、残価設定ローンで購入すれば新車価格の半額でローンを組むことができるわけで(オプションや登録諸費用などは別途だが)実質240万円クラスの車両と同じ月々の支払い額で乗ることができるワケだ。
しかし、残価が多く残るということは5年後に支払わなければならない金額も多いということになり、仮にランクル70がめちゃくちゃ気に入って5年後も乗り続けたいとなったときは、残価分の240万円を一括で支払うか、高い金利での再ローンをするしかなくなってしまうという落とし穴がある。
また再ローンをする場合は支払い回数が制限されていることが多く、5年の残価設定ローンで買って、残りをさらに5年ローンという方法が取れないケースも少なくないため、一気に月々の支払い額がハネ上がることになってしまうのだ。
そのため、残価設定ローンで購入するのであれば、確実に3年後や5年後に乗り換える前提で使えるファミリーカーなどの実用車を選び、趣味性の高いクルマで長く乗り続けたくなるようなモデルは通常のローンで購入するのが賢明だろう。
なお、国産メーカーの残価設定ローンの多くは、走行距離やキズの有無などの条件をクリアすれば残価が保証されるタイプとなっているため、最悪クルマを手放せば残債からは解放されるが、輸入車などの残価設定ローンの一部は残価を保証せず、純粋に最終支払回にその額を据え置いているだけのタイプもある。
この場合はそのときにクルマの相場が大きく下落し、売却しても据え置いた額に届かない場合、差額は契約者が支払わなければならないため、より注意したいところだ。
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