■クルマ好きにとっての残念な部分、課題は?
ネガティブな部分があるとしたら、速度域が高い時にフルブレーキングすると車体の重さを感じる。1800kgを超える車重が残念なところ。バネ下重量を軽減すると制動性能は飛躍的に向上する。
トップスピードまで短い時間で誘うポテンシャルだからこそ停まるという部分をさらにブラッシュアップできるかに期待したい。
さらに残念なのはインテリア。無駄なモノを省いていった結果、シンプルな応接室のようなコックピットに辿り着いたんだと思うけど、オレを含めクルマ好きには、こういうインテリアは刺さらない。
クルマ好きって子どもの頃から、ロボットを操縦するかのようにクルマを操るのが好きな人種。当然、ギミックもひとつの購入要素だ。謎のボタンがたくさん配置されるだけでテンションが上がるってもんだ。
モデル3のコックピットときたらまったくそれを感じさせない。一部、レザーやアルカンターラ素材を使っているけど、基本構成は安っぽい。700万円台のオーラはみじんもない。もし、クラウンや今話題のスカイラインがこんなインテリアだったら売れるのか疑問だ。
あと、なえるのが充電。電源がないと使えない家電と同じなのでバッテリーチャージは必須。発売当初よりも充電時間が短くなったといえどもガソリン車と比較できない。
ガソリンスタンドなら全国どこでもあるけど、EVスポットは都内においても少ない。自宅以外での充電がネックになってEVがイマイチ普及しない理由。
クルマとしてのポテンシャルは認めるけど、今までガソリンで慣れてきたオレたちに購入させるには、まだまだ修行(改善)が必要だね。
■最低限の操作機器すらついてない気がする…… シンプルすぎる運転席に編集部員も悪戦苦闘!
(TEXT:編集部)
ミニマリストもビックリのシンプルさがモデル3の特徴。方向指示器、ワイパースイッチ、ベンツと同じセレクトレバーは付いているのだが、それ以外はすべて中央の15インチのタッチパネルに機能が集約されているもよう。
さて、さっそくレポートしていこうとまずはカギをあけ……られない! え、カード?
カードキーを運転席側のBピラーにかざすとカギが開く仕組みで、まるで電車の改札です。気を取り直してドアの取っ手……あー埋め込まれてるんスね。押したら開きました。
気を取り直してクルマに乗り込む。ウィンドウの開け閉めと、シート位置合わせは普通のクルマと同じでちょっと安心。じゃあエアコン……エアコンどこやね~んと迷っていると、目の前から暖かい風が。
木目パネルの上の溝がエアコン吹き出し口でした。操作はタッチパネルから。走行中に画面を注視しなきゃいけないのは難点です。
その後もクルマに乗る際に調整するあれやこれやのボタンがない。やっぱり全部タッチパネル。ハンドル位置の調整やミラーの調整は、タッチパネルから項目を呼び出し、ハンドルについているスクロールホイールと左右のボタンで行います。
ほか、ヘッドライトのモード変更、運転モード選択、グローブボックスのオープンもタッチパネルから。ちなみにハザードボタンはルームミラー上のルームライトの中央に。
画面を注視しなきゃいけない仕様なのは、間違いなく自動運転時代を見据えています。よく使う機能にはショートカットボタンが画面上に用意されるなど配慮されています。
最初は悪戦苦闘しましたが、ほかのクルマの機能がモデル3だとどこにあるかを覚えるだけ。慣れたらほかのクルマと同じ。
走りもいいし、オートパイロットも便利。納車までの期間も短いので、まずは試乗して体験してみてはいかがでしょうか?
■モデル3パフォーマンス主要諸元
・全長×全幅×全高:4694mm×1850mm×1443mm
・ホイールベース:2875mm
・車両重量:1860kg
・モーター:リア…AC永久磁石同期モーター、フロント…ACインジェクションモーター
・最高出力:リア…275ps/5000rpm、フロント…186ps/6380rpm
・最大トルク:リア:42.8kgm、フロント:24.5kgm(回転数不明)
・航続距離:530km(WLTP)
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