スバル STI史上最高のS208に世界初試乗!! その走りに700万円の価値はあるのか!?

S208のハンドリングはグレードによって違う!!

最上級グレードのNBRチャレンジパッケージ(カーボンリアウイング仕様)
写真のNBRチャレンジパッケージは標準車と異なり、ルーフがカーボン製に。足回りも最適化されている

 では、進化したS208のハンドリングはどうなのか?

 興味深いのは、スチールルーフとカーボンルーフでサスペンションのセッティングを変えていることだ。

 理由は、カーボンルーフの場合、上物が軽くなり低重心になるのとカーボンを骨組みに張り付けている関係から若干ボディ剛性が落ちるというのだ。

 そこで、主にフロントダンパー(ビルシュタイン製ダンプマチック)の伸び側を強化して適正化を図っているのだ。

 その差はコーナー進入でフロントのロールがやや大きく、イン側に一番入り込む部分でフロントを軸に巻き込むような挙動を見せるスチールルーフに対してカーボンルーフは安定感が強い。腕に自信があればスチールルーフのハンドリングはおもしろい。なにしろステア切り角が小さくてよく曲がる。

 DCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・デフ)をオートモードにしても、カーボンルーフでオートにして“マイナス”にセットした状態よりもターンインがシャープなのだ。

対BMWでもスポーツ度はS208に軍配

S208(左)とBMW M240i(右)。同車のエンジンは直6ターボで340ps/51.0kgmを発揮
S208(左)とBMW M240i(右)。同車のエンジンは直6ターボで340ps/51.0kgmを発揮

 今回はS207開発時にベンチマークにしたというBMW M235iの後継車である、M240iを持ち込み比較してみた。

 まずシートに座った時点でコンフォート感が高い。S208はレカロシートで、タイトなフィット感と剛性感が魅力で、シートはこのレカロの得点が高い。

 しかし、総合的なフラットライド感はM240iで、通勤にも使えるような日常性面でS208はまだ追いついていない。このあたりは可変減衰ダンパーを採用しないと、スポーツとコンフォートの両立は難しいとみる。

 ただ、S208は19インチ、M240iはエアボリュームの大きな18インチタイヤということも大きく影響している。エンジンは3Lターボの余裕で、圧倒的に中速域でトルクのあるM240i。しかも排気音がよりレーシーだ。

 そしてハンドリングだが、意外にもM240iは操舵初期の応答性が低く、コーナリング初期の気持ち良さは圧倒的にS208に軍配。

 スポーツ度という観点で採点すると、S207が90点、M240iが85点、S208は94点としたい。

 では、冷静に考えてベース車WRX STIに比べて上乗せ分の価値があるのか、というと、そこはやはり徹底したエンジンのチューニングとカーボンルーフを含めたハンドリングの価値観を考慮して、「価値あり」と判断する。

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