■エクリプスクロスは「曲がる4WD」が復活の兆しだ
前置きが長くなった。現在、三菱のなかにアンダー崇拝主義者は完全に居なくなったという。なにしろ試乗会で見かけた技術者、皆さんランエボを作っていた方々ですから。
ここまで読んで頂ければ、クドクドとエクリプスクロスの試乗レポートなんか読まなくたってイメージ出来ると思う。三菱自動車の4WD、再び輝き始めそうな雰囲気が出てきました。
なんたって試乗会自体「思い切り楽しんでください!」。気を付けろとか、スピードを抑えろ、なんてヤボなことは言わない。
お言葉に甘え、存分に走ってみました。絶対的な出力が少ないため(燃費指向の1.5リッターダウンサイジングターボ)、三菱自動車ご自慢の前後トルク配分の効果は若干物足りないとはいえ、確かに曲がる。
限られた条件のコースということもあり、100km/h以上の全開コーナリングこそ試す機会はなかったが、ハンドル切った時のターンインに始まり、コーナリング中のパーシャルアクセルでのコーナリング姿勢、アクセル踏んでの立ち上がり加速時等々、キチンと曲がろうとする。
最近マツダの4WDも優れた性能を持つようになったけれど、三菱自動車やスバルのように「滑ってもコントロール出来ればいいでしょ?」というような楽しさは無い。
久し振りに「ワクワクさせてくれる三菱自動車が帰って来るのかな?」という淡い希望など持ってしまいました。
販売面ではどうだろう。「エクリプスクロスは売れるか?」と聞かれたら「いいクルマだと思うけれど数カ月すると苦戦するかもしれませんね」。
現在三菱自動車を愛する人達が買った後、右肩下がりになると思う。ムカシのファンも戻ってこない。理由は簡単。
ブランド力を失ってしまったからだ。どんなに正確かつ高機能の時計を作っても、ブランド持つ時計と同じ価格じゃ売れないのと同じ。
モータースポーツに戻りブランドイメージを作るか、インドネシアで発売し大ヒットしたカッコ良い『エクスパンダー』を200万円以下で売るといったお買い得車路線に切り換えか等々、違う作戦が必要だろう。
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