セレナe-POWERは46万円高の価値はあるのか!? 最速公道初試乗!!

■乗ってどうだ!? セレナe-POWERの魅力とは

 そこでセレナe-POWERハイウェイスターVを試乗した。まず動力性能はノートe-POWERに比べると大幅に向上している。体感的には25%以上の向上率だ。駆動を担当するのがモーターだから、回転上昇に応じて駆動力を高めるエンジンよりも瞬発力が強い。

 巡航中にアクセルペダルを踏み増した時の加速感は、ノーマルタイプのガソリンエンジンでいえば2.5~3Lクラスに匹敵する。これだけ加速できれば充分と感じた。

 モーター駆動だから加速感が滑らかで、各部の遮音を入念に行ったからノイズも小さい。セレナはミドルサイズミニバンだが、走りの質はLサイズ並みだ。

 S/ECO(エコ)モードを選択すると、アクセルペダルを戻すと同時に、強めの回生充電を開始する。減速エネルギーを使って駆動用モーターが積極的に発電を行い、駆動用電池に充電する仕組みだ。

 効率が優れ、なおかつアクセルペダルを戻すことで強めの減速力が発生するため(従来のエンジン車でいえば、低いギヤを選んで強めのエンジンブレーキを利かせた時の感覚に近い)、アクセルペダルだけで速度を自由に調節できる。

 ただし慣れないと、アクセルペダルを戻した時の減速力が強すぎる印象も受けた。この動きを好まないなら、Dレンジで走れば良いが、S/ECOモードほど積極的に回生充電しないから燃費が悪化する。このあたりが難しい。

 ノートe-POWERに装着されない新機能としては、チャージモードとマナーモードがある。

 チャージモードを選ぶと、エンジンが作動して駆動用電池を約90%まで充電する。この後でマナーモードに切り替えると、エンジンを停止させて、バッテリーの電気を使いながら約2.7km走ることが可能だ。

 深夜に帰宅する時などは予めチャージモードで充電を行い、自宅付近でマナーモードにすれば静かに走って車庫入れも行える。

 また屋内の駐車場や倉庫の中を走る時も、マナーモードであれば排出ガスを発生させないからクリーンな走行が可能だ。

発表会に登場した藤本敏史さんと藤本美貴さん。二人ともセレナe-POWERの静粛性には驚いたという
発表会に登場した藤本敏史さんと藤本美貴さん。二人ともセレナe-POWERの静粛性には驚いたという

 試乗して意外だったのは、操舵感や走行安定性も向上していたこと。操舵感はベース車のセレナでは切り始めの反応が少し曖昧だが、e-POWERになると小さな舵角から比較的正確に車両が向きを変える。

 この後にカーブを曲がり始めた後も、旋回軌跡をあまり拡大させず、ベース車のセレナに比べれば良く曲がる。しかも曲がっている最中にアクセルペダルを戻すような操作をしても、後輪の接地性が削がれにくい。

ワンペダルでブレーキもかけられるe-
ワンペダルでブレーキもかけられるe-POWER。クルマ酔いなどの軽減にもなりそう

 タイヤサイズは15インチ(195/65R15)と細く、指定空気圧は280kPaと高い。タイヤの設定は燃費を重視するが、その割に走行安定性は良好だ。

 この点を開発者に尋ねると「走りのためにボディを補強するなど特別な対処はしていないが、1列目シートの下には、横向きに駆動用電池が搭載される。

 この影響でクロスメンバー(ボディの底面に配置された横向きの骨格)が強化されたような効果が生じた。また足まわりの設定は見直している」とのことだ。

 乗り心地はベース車よりも少し硬いが、逆に粗さは抑えられていた。乗り心地は簡単にチェックできるから市街地で試乗した時に確認してほしいが、不満を感じることはないだろう。

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