■コントローラブルで扱いやすいハンドリング
ツウィンカムエンジンを与えられたカローラFX-GTは足回りも違う。スプリング、ショックアブソーバー、スタビライザーの強化はもちろん、ボディ3カ所に設けたパフォーマンスロッドによってボディ剛性がアップしている。
若干、FFとしては重い930kgの車重であり、パワーウェイトレシオは7.15と890kgのシビックSiの6.59に比べると落ちる。
そのことは、カローラFX-GTが16秒32に対してシビックSiが15秒70という0~400m加速タイムにも表れているが、むしろシビックSiが速すぎるのであって、FX-GTのタイムは相当に速い。
そしてカローラFX-GTのよさはコントローラブルなことだ。筑波サーキットを攻めた際でも、スロットルオフのテールの流れはスムーズで、流れるスピードも適度だ。
パワースティアリングがついていてトルクスティアは小さく、等長ドライブシャフトを持っていないが、コーナーリングの脱出時にパワーをかけてもスティアリングに伝わる不自然な力は最小だ。
ひと言でいえば、乗りやすいのだ。シビックSiに比べるとマイルドだが、街乗りでも扱いやすいということが個性になっている。
実用性、特にリアシートの広さはシビックSiのほうが、少しよく、スターレットSiやシャレードターボといった下のクラスを含めると、FFのスポーティカーの明るい未来を予感させる。
◎トヨタ カローラFX-GT 主要諸元
全長:3970mm
全幅:1635mm
全高:1385mm
ホイールベース:2430mm
エンジン:直4DOHC
排気量:1587cc
最高出力:130ps/6600rpm
最大トルク:15.2kgm/5200rpm
トランスミッション:5MT
サスペンション:ストラット/ストラット
10モード燃費:13.4km/L
車重:930kg
当時の価格:136万5000円
※グロス表記
本誌テスト結果
0~400m:16.32秒
0~100km/h加速:30.52秒
筑波サーキットラップタイム:1分17秒52
最高速:186.85km/h





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