■買うなら21万6000円高くとも4WD!
駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDを用意するが、今時のSUVでは珍しく4WDの人気が高い。三菱のブランドイメージ、エクリプスクロスの外観に4WDが似合うこともあるが、S-AWCの採用も利いているだろう。
4WDでカーブを曲がる時には、S-AWCの作動により、内側の前輪をブレーキングして車両を積極的に内側へ向けるといった制御が行われるからだ。
いい換えればエクリプスクロスの走りの良さは、S-AWCを備えた4WDでこそ満喫できる。従って購入する時も4WDを選びたい。
4WDの価格は2WDに比べて21万6000円高いが、この価格差は割安だ。一般的には23〜26万円前後だが、エクリプスクロスは低価格でS-AWCも備わるから、一層買い得になる。
■最もお買い得なグレードは「G」
グレードは3種類を用意するが、Gが最も割安だ。安価なMには車間距離を自動制御できるクルーズコントロールは装着されないが、Gになるとミリ波レーダーと併せてこの機能が備わり、高速道路を使った長距離移動時などはペダル操作が軽減される。
さらにこのミリ波レーダーは緊急自動ブレーキのセンサーとしても利用されるから、車両に対するブレーキの作動上限速度は、Mは時速80kmだがGであれば最高速度までカバーできる。Gの価格はMよりも17万3880円高いが、LEDヘッドライトやヘッドアップディスプレイなども加わるから、装備の充実と価格差のバランスは取れている。
このGに後側方車両検知警報など安全装備のオプションを5万4000円で加えるのがベストだ。オプションを含めた総額は、4WDでも297万6480円だから、300万円以下に収まる。
■三菱が復権するために必要な3つのポイント
エクリプスクロスを加えたことで、三菱はようやくブランドの回復に乗り出した。最も大切なことは、当たり前だが二度と信用を失墜する不祥事を起こさないことだ。
2つ目は2018年中に予定されるデリカD:5の大幅な改良など(型式は同じだから分類上はマイナーチェンジになる)、4WDモデルを着実に進化させて、プラグインハイブリッドや電気自動車にも力を入れることだ。この点については地道なことしか望めないが、淡々とでも続けることが大切だ。
3つ目は国内の販売会社を販売現場の目線(これはユーザー目線とほぼ同じだ)でしっかりケアすること。三菱本体は日産との提携、アジア市場での堅調に支えられて生き残れるかも知れないが、販売会社は日本の市場がすべてだ。
特にメーカーの資本に頼らない地場のディーラーは、このままでは三菱から離れてしまう(私が地場の社長でも三菱車の販売は縮小する)。そうなれば三菱車を今でも愛用するユーザーに多大な迷惑をかけてしまう。
三菱が解決すべき課題は今でも多く残り、最も強く求められているのは、三菱を育て、愛してくれる日本のユーザーを何よりも大切にすることだ。
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