■少々古典的な辛口スポーツ
セラミックターボを与えられたRB20DETはそうとうシャープでパワフルだ。低速からグイとばかりトルクが持ち上がり、そこから7500回転まで一気に登り詰める。いわゆる“ラグ”はほんとうに小さく、一瞬のものであるといえる。
もともとZカーの直進性は文句ない。200ZRもウエットのコースを180km/hで矢のように走る。V6モデルに比べ、サスペンションの形式こそ同じだが、ずっと硬められている。
さらにブリヂストンのポテンザRE71Mと組み合わされ、スティアリングのシャープさを得ている。
このサスペンションの強化によるロールの小ささとスティアリングのシャープさで、200ZRはボディサイズをひとまわり小さく感じさせることに成功している。当然乗り心地は硬いが、これでいいと思う。低速でもこの硬さはスポーツカー乗りにとってきついものではないからだ。
ブレーキもたいへんいい。ウエットコンディションのなかで、180km/hから安定して100km/hに減速できる。しかも、そのフィールがとてもいいのだ。
かくて、200ZRはスポーツ性を大いに感じさせる。それは少々古典的な荒々しい味も感じさせる。
スカイラインがソフトマシンに変身した後、同じ日産からそうとう辛口のスポーツカーが登場する。それでいいんだ。辛口の日産車に乗って私はそうとうに喜んでいた。
◎日産 フェアレディZ 200ZR-1 2by2 主要諸元
全長:4535mm
全幅:1690mm
全高:1310mm
ホイールベース:2520mm
エンジン:直列6気筒 DOHCターボ
排気量:1998cc
最高出力:180ps/6400rpm
最大トルク:23.0kgm/3600rpm
サスペンション:ストラット/セミトレ
10モード燃費:9.7km/L(5MT)
車重:1320kg
当時の価格:252万4000円
※ネット表記
本誌テスト結果(いずれもウェット)
0~400m:15.45秒
0~1000m加速:28.63秒
0~100km/h加速:8.79秒
最高族度:リミッター
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