■ハイパワーバージョンのRS e-tron GTは646馬力を発揮!
パワートレーンはポルシェタイカンと基本的には同一で前後に2基の電気モーターを搭載、フロントのモーターはe-tron GT クワトロ、そしてRS e-tron GTともに238psだが、リアは435ps/465psとなっている。
システム出力は前者が476psと630Nm、後者が646馬力と830Nmで、ダイナミック性能はe-tron GT クワトロが0-100km/hが4.1秒、最高速度は245km/h、RS e-tron GTはそれぞれ3.3秒と250km/hと発表されている。
また搭載されるバッテリーは800Vの電圧を持ったネット84kWh(グロス93kWh)で航続距離は最大で488km(e-tron GT クワトロのWLTPモード)に達する。なお、日本での充電は8kWのACチャージャー、150kWのDCチャージャーに対応するようになっており、最大航続距離はアウディジャパンの発表では500kmとなっている。
■高性能ながらもジェントルな乗り心地
最初に試乗したのはスタンダード・バージョンともいえるe-tron GTクワトロで、2.3トンもの車重にも関わらず、加減速やコーナリングなどのダイナミックなシーンでの走りは正直言ってポルシェタイカンとの差はあまり感じられなかったが、全体的なドライブフィールはポルシェと比べると、アウディの主張どおり「GT風」である。
すなわちステアリング操舵に対する車体の反応やスロットルに対するモーターの立ち上がりなどわずかながらソフトな感じがする。さらに落ち着いた高品質なインテリアの影響もあって、主にアウトバーン走行が主だった往路ではドイツの推奨速度130km/hでフラットな乗り心地を感じながらのクルージングを楽しめた。
もちろん、前方の遅いクルマを追い越すために、左車線に出てドライブペダルを踏みこめば瞬時に200km/hを超える速度が体験できる。
次に乗ったハイパワーバージョンのRS e-tron GTは最初にハンブルグの市街地を通過したので、ドライブモードはまずコンフォートを選択しておいた。結果は石畳の古い道路や荒れた路面でもダイレクトに突き上げるようなショックは感じられず、ソフトなタウンドライブが可能であった。
一方、郊外でスポーツモードを選択すると操舵力がやや大きくなり、同時にダンパーにもやや硬め、がっしり感が出てドライバーにやる気を促す。もちろんドライブペダルのマッピングもシャープになり、人工ダイナミック・サウンドを伴って豪快な加速を見せる。
■日本への導入開始は2021年秋を予定
アウディはこのEVサウンドの創造にも真剣で、RS(GTはオプション)には外界とキャビン内のために2基のコントロールユニットおよびアンプを搭載、トランク内の2基のスピーカーから外向けと内向けの音を出す。
ドライブペダルを踏み込み、加速に応じて発生するRSサウンドは私には心地よく感じたが、好き嫌い、あるいは状況によってアウディ・ドライブ・セレクトでアジャストすることが可能である。
私自身は人工サウンドよりもせっかく基本的に静かなEVに乗っているのだから音楽を楽しみたいと思っている。幸いこのアウディe-tron GTにはバング&オルフセンのハイエンド・オーデオ・システムが搭載されており、もっぱらこちらを楽しんでいた。
また充電だがタイカンと同じ800Vのアーキテクチャーによって最大270kWのDC充電が利用でき、わずか5分で100kmの走行距離を稼ぐことが可能なことが実際に中継地点で確認できた。
アウディe-tron GT クワトロ、そしてRS e-tron GTともにすでにドイツでは予約注文が始まっており、目標とする主な市場はアメリカでおよそ50%、ヨーロッパは25%、残りの25%が日本を含む地域に振り分けられる。
わが国への販売スケジュールや価格は、4月6日にアウディジャパンから発表があったようにe-tron GT クアトロが1399万円、そしてRS e-tron GTが1799万円で、秋からデリバリーが開始される。
【画像ギャラリー】100%電気自動車の本格4WDスポーツ! 新型アウディe-tron GT クワトロとRS e-tron GTはこちら!!
コメント
コメントの使い方