隠れた逸材!! ガソリンモデルの運動性能は凄いぞ!!
最後に乗ったのは、ガソリンGグレードの4WD、これが「隠れた逸材」だった。
新開発の1.5L i-VTECガソリンエンジンは、先代モデルよりも出力は下げながらも(129ps/15.6kgfmから118ps/14.5kgfmへとダウン)、先代の素早く元気のあった特性から、リニアで扱いやすい特性へとセッティングを変更、フィットで採用された新開発のCVTのギアレシオも、フィットに対してローレシオ化(4.992から5.436)している。
e:HEV 2WDよりもさらに軽い(ガソリン4WDは1330kg、2WDはなんと1250kg)こと、特にハイブリッドシステムが搭載されるフロント重量が減ったことで、回頭性に鋭さがあるのだ。
また、サスセッティングが絶妙で、16インチタイヤ(215/60R16ダンロップENASAVE EC300)に合わせた緩めの足回りは、ボディモーションを感じながら、高い接地性でグイグイとコーナーを曲がっていく。高速直進性の高さもe:HEV 4WD並に高い。
ヤリスクロスの4WDで感じた「自由自在なハンドリング」と同じ印象だ。同じシチュエーションでヤリスクロスに乗っていないので、直接比較をできないのが残念だが、少なくとも、アップダウンの激しいワインディングをヴェゼルガソリン4WDで走った感想は、「超」気持ち良かった。
新型ヴェゼルは、受注の9割がハイブリッドらしいが、このガソリン4WDの運動性能は、新型ヴェゼルの全グレードの中で「TOP」だ。
「先代のあの魅力」を受け継ぐのは大変だった…
前出の明本氏によると、今回の新型ヴェゼルで、最も苦労した点は、後席シート下のパッケージングだったという。
先代ヴェゼルは、荷室の使い勝手が秀逸であり、今回の新型でもその点はしっかりと受け継がれているが、低いフロアと後席のダイブダウンシート、そして大型化したバッテリーが重なってしまい、レイアウトにとんでもなく苦労したそうだ。
コスパでは敵わない、しかし使い勝手はヴェゼルが上
新型ヴェゼルの最大のライバルはやはり、トヨタ「ヤリスクロス」であろう。ヤリスクロス最大の長所は、なんといっても「コスパの良さ」だ。ガソリン仕様が税込189.6万円(X/2WD)、ハイブリッド仕様が228.4万円(ハイブリッドX/2WD)と、他メーカーのSUVよりも2ランクは安い。
しかも、その魅力はコストだけではなく、使い勝手の良いボディサイズ感に加え、卓越したハンドリングも持ち合わせている。ガソリン、ハイブリッドのそれぞれに4WDも設定するなど、日本の降雪地域の需要にも、しっかりと応えている。
だが、新型ヴェゼルには、ホンダの「MM思想(人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に(マン・マキシマム/メカ・ミニマム))」に基づいた、使い勝手の良いカーゴエリアがある。極限まで考え抜かれたパッケージングは、新型ヴェゼルでしか味わえない魅力だ。
そしてこの流行りのデザイン。この辺りを重要視される方にとっては、新型ヴェゼルの方がおススメだ。
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