熟成を極めたマツダの大黒柱CX-5が腰痛持ちにも優しい進化を遂げていた!!

まさに“特別”な新グレードの設定そして新色のボディカラーも斬新

CX-5フィールドジャーニーの走行シーン
CX-5フィールドジャーニーの走行シーン

 前述した2.5Lガソリンターボ車の廃止以外は基本的なグレード構成に変化は少ない。と言うか、今回の“売り”は3種類の特別仕様車だろう。

 これまでにマツダは魅力的な特別仕様車を数多くラインナップしてきた。最近のニュースとしては昨年発表した「Black Tone Edition」が人気、特に若年層から高い支持を受けているとのことだ。

 それを受けて、今回のCX-5には
●従来から販売されているより「Exclusive Mode(エクスクルーシブ・モード)」の仕様向上。
●スポーティな雰囲気をさらに高め都市型SUVの新しい提案となる「Sports Appearance(スポーツアピアランス)」の設定。
●そして最も注目したいのが、オフロード性能を高めながらアウトドアライフにも対応できる仕様と性能を身につけた「Field Journey(フィールドジャーニー)」を新設定していたことだ。

 特別仕様車とは銘打っているが、基本は期間&台数限定ではないので、焦ることなく注文は可能だ。但し、昨今の半導体不足の影響は含まれないが・・・

 試乗に関しては2.5L直4ガソリンのスポーツアピアランス(FF)と、2.2L直4クリーンディーゼルのフィールドジャーニーの2台に試乗した。今回は目玉といえるフィールドジャーニーを中心にインプレッションを紹介する。

 スポーツアピアランスにはFFのほか、4WD車も設定、さらにエンジンも2.2Lディーゼルが選べる。一方フィールドジャーニーは2.2Lディーゼルのほかに2L直4ガソリンが選択可能。但し、駆動方式はグレードの性格なのか4WDのみの設定。特別仕様車のトランスミッションはすべて6速ATとなる。

 用意された試乗車は車両本体価格355万3000円のフィールドジャーニー。ボディカラーは新色の「ジルコンサンドメタリック」。ジルコンサンドは酸化ジルコニウムとシリカの化合物とのことだが、その特性上、高価な合金を鋳造される際に使われるとのこと。

 他社のことをディスるつもりはないが、いわゆる「アウトドア系カラー」ではなく、これは新しいカラーデザインの提案。実際このボディカラーはフィールドジャーニーだけでなく、他のグレードでも選ぶことができる。

都市型だけではもったいないAWD性能はアウトドア仕様で本領発揮

走行モードを切り替えるMi-DRIVE
走行モードを切り替えるMi-DRIVE

 これまでCX-5はどちらかと言えば「都市型(アーバン系)SUV」としての側面が強かった。もちろんAWD性能に関しても非常に優れていたが、イメージというものは一度付くと払拭するのも難しい。マツダの担当者によれば「昨今、盛り上がっているアウトドア人気にも対応できることをさらにアピールするためにも新グレード(特別仕様車)の設定は必要だった」と言っている。

 フィールドジャーニーには専用外装やオールシーズンタイヤ&グレーメタリック塗装の17インチアルミホイールのほか、インテリアにもライムグリーンをシートステッチやエアコンルーバーに採用。またラゲッジルームにリバーシブルボードを使うことでアウトドアの利便性も高めている。

 まず試乗して感じたのは乗り心地がすこぶる良くなっている点だ。余談だが日々腰痛で悩んでいる筆者にとってはシートの出来や路面からの振動には敏感になっている。

 今回、CX-5のシートにはすでに新世代モデルであるMAZDA3やCX-30から採用しているシート構造を採用していると言う。具体的には骨盤を制御することで脊椎を自然なS字カーブにするとマツダ側は説明しているが、何よりも走行時の上下左右方向を含めた身体のブレや揺れが本当に少ない。まるでクルマに吸い付くようなフィット感は極めて快適で、これに関しては前モデルより大きく進化した点と言っていいだろう。

 乗り心地に関してもオールシーズンタイヤを装着していても、路面からのノイズ侵入や微振動の侵入はうまく抑え込んでいる。これはノーマルタイヤを装着するスポーツアピアランスでも同様だったが、加速時&ブレーキ時の挙動の少なさに関しても良く仕上げられている。ひと言で言えば、路面を這うような滑らかなフィーリングである。

 一方オフロード性能に関しても前述した「Mi-DRIVE」の制御が上手く効いている。元々マツダ車に採用されている「i-ACTIV AWD」はあらゆる路面での走りをドライバーが意識することなくサポートする万能型のAWDシステムだったが、今回はフィールドジャーニー専用装備として同社自慢のGVCにもオフロードモードを追加。

 さらに登坂時のアイドルアップ制御、中高速AWD制御(150km/hまでAWD走行が可能)、ATのトルコン制御(ガソリン車のみ)などオフロードモードに新機能を追加している。ちなみにスタック時の脱出をサポートする「オフロードトラクションアシスト」は従来通り4WD車全てに標準装備される。

 試乗会場に用意された特設コースでは1輪が浮いてしまうことでタイヤが空転してしまう状態を再現。この状態でもオフロードモードにすれば空転したタイヤにブレーキをかけることで駆動力を伝達する。これによりスムーズな脱出や走りをサポートしてくれる。また前述したようにガソリン車のみにはなるが、操舵角などを検知して登坂時にアイドルアップ制御を行うことで発進時などの後退を抑制する効果もあるそうだ。

 このほかにも本当に細かい部分おいて変更が行われており、個々の性能向上だけではなく、トータルでCX-5という商品の魅力が向上していることがわかる。

 これまでのCX-5を否定するつもりはさらさらないが、やはり「最新は最良」の部分が大きく、もはや熟成の域に達したと言ってもいいだろう。今後CX-5がどう進化するか予想はできないが(次期型はあるのか?など)、ここまで性能や商品力を高めているのであれば「買いの1台」としてオススメできる。

 今回の大幅改良のメニューを考えると、バリューが相当高くなっていると感じる。個人的には将来のリセールバリューも含めるとCX-5に新たな魅力を生んだクリーンディーゼルのフィールドジャーニーがオススメしたい。

【画像ギャラリー】最後の改良?を行った現行型CX-5の最新モデルを写真で紹介(18枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!