どんな人向け? N-VANはN-BOXとどう違うのか
N-VANには、比較的小さくて軽い荷物をたくさん積み、街中を配達するような使い方が似合う。
床が低く、ボディの側面にはワイドな開口幅があるから、荷物の出し入れもしやすい。真っ平らなスペースは、車内を趣味の空間として使いたいユーザーにも適する。
逆に乗用車として頻繁に2~4名で乗るならN-BOXを推奨する。N-VANに比べると、前後席の座り心地が圧倒的に優れ、足まわりの違いと相まって乗り心地も快適に感じる。後席の足元空間も広い。
安全装備は、N-VANと同様の緊急自動ブレーキを作動できるホンダセンシングに加えて、N-BOXはサイド&カーテンエアバッグも用意した。
しかも価格はN-BOXが割安だ。N-VANの一般ユーザーに推奨できるグレードは、NAでは「プラススタイル・ファンホンダセンシング」(156万600円)だが、これに相当する内容のN-BOXは、「G ホンダセンシング」(138万5640円)になる。
つまり、N-BOXは17~18万円安い。N-VANは中央のピラーをドアに埋め込むなどの変更を施したから、価格が高まった。
N-BOXにもワイドに開くドアが欲しいと思うが、開発者によると「N-VANの構造では、ワゴンに求められるスライドドアの電動開閉機能を装着できない」という。
言い換えればN-BOXがスライドドアを備える優位性は電動機能になるわけだ。
N-VANは既存の軽バンと違う個性で勝負する商用車
一方、エブリイやハイゼットカーゴに比べると、大量に積む機能ではN-VANが不利になってしまう。
その代わり大開口のドアと助手席の格納機能が備わり、使い勝手が良い。運転感覚はN-BOXに近いから馴染みやすい。
緊急自動ブレーキを作動可能な安全装備は、ハイゼットカーゴも2個のカメラを備えたスマートアシストIIIを採用するが、N-VANには車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わる。機能や装備と価格のバランスは、エブリイやハイゼットカーゴに近い。
このように、N-VANはエブリイやハイゼットカーゴと同じ軽商用バンでありながら、商品の性格が異なり、ユーザーの選択肢を広げた。
新しい商用車の姿を提案しているので、衝突時のドライバー保護など、さらなる改善を加えて進化させて欲しい。
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