■しなやかなライドフィール、爽快なサウンド。ファンの期待を裏切らない仕上がり
その甲斐もあってだろう、多少の凹凸をものともしない、しなやかなライドフィールはちょっと今までのフェラーリとは一線を画する質感だ。
モーターのみで走る場面も多いということはロードノイズの類も気になるところだが、こちらもタイヤと車体の両面からよく整理されているようで、煩さは感じない。
この柔軟なフットワークとリニアなコントロール性のおかげで、タイトなワインディングでもそれなりにパワーをかけて積極的に曲がりを愉しむことができた。
と、そこで改めて噛みしめるのがおよそV6離れした爽快なサウンドだ。
1990年代以降は各社のマルチシリンダーエンジンの主力となった。すなわち耳慣れたユニットが、これほど澄んだ高音を聞かせてくれるとはゆめゆめ思わなかった。
もちろん、手練のエキゾーストレイアウトなどの援護射撃があってのことだが、この点ひとつとっても、296GTBはフェラーリファンの期待を裏切らない仕上がりといえる。
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