新型デリカD:5を乗ってみてわかった真価

■進化の主役は「顔」というより「走り」

 オンロードでは8速ATと新たに設定したMレンジパドルシフトのスポーツモードが威力を発揮した。

 新開発の8速ATのギア比と2.2Lディーゼルターボのマッチングがとてもよい。スタートからの加速もスムーズ。今回のテストコースは長いストレートがないので、高速連続走行ができなかった。これが心残りだ。高速での安定性は、来春に正式に発売になってからの楽しみ、ということにしておこう。

なお新型(写真左、ノーマル仕様)はディーゼルエンジン搭載車のみだが、ガソリン仕様は従来型(写真奥)のデザインのままで引き続き継続販売される。「以前の顔のほうがいい」というユーザーも多そう…

 ワインディングでの走りも現行モデルとは比較にならないほどにバランスがよく、回頭性も向上した。

 2WDモードでは軽快にコーナーをクリアする。

 4WD(オート)モードでは、前80、後20程度の割合で駆動力が分配されるので、高速道路などで使用すると、安定性が向上する。

 また、これまでデリカD5の弱点だった先進安全性能も進化。衝突軽減ブレーキも装備され、全車サポカーに対応。一気にライバルに追いついている。

 というわけで、デビュー10年目のビッグマイナーは、実は「大胆なフロントマスク」が主役ではなく、中味が大幅に進化したことがポイント。

 試乗を終えて、再びフロントマスクを見ると、頼もしく、カッコよく見えてきたのだ。

 写真よりも実車のほうが断然いい! それも「乗ってから」が断然いいのだ!

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