■今回試乗した2台の「ここがいい」「ここがダメ」
●トヨタRAV4 ハイブリッドG……90点
開発チームが大幅に変更した車両コンセプトの具現化に向かい一直線に向かってクルマ作りをしたことが伝わり、とても好感が持てる。
エクステリアデザインとインテリアデザインのマッチングも素晴らしいし、新パワートレーンも雨中走行のコントロール性を含めオフロードSUVとして使いやすいものになっている。そういった意味で隙のないクルマ作りをしてきた。
10点のマイナスは、全開時のハイブリッドパワートレーン騒音がうるさいこと。これは他車種でも同様だ。あとは、フロントのしっかり感に対しリアの沈み込みが大きく、フラリフラリと必要以上に動き回ること。
●水野和敏 RAV4の取材メモ
・「オフロードをイメージしたSUV」という開発コンセプトを明確にして、開発陣が一丸となってコンセプトに基づいたクルマ作りをしていることがわかる
・操縦性の前後バランスがいい。欲を言えば、カッチリとしたフロントに対して若干リアがソフトで動きが大きい点だが、充分許容範囲だ
・2.5Lハイブリッドはパワフルだし燃費もよく、熟成されているが、若干音が大きいのが気になる
●ジャガーEペイス P250…85点
フロントのロール剛性が柔らかく、一方リアはショックアブの伸び側減衰力が強すぎるため動きが遅く、本来のストロークを使い切れず少し前後の動きがアンバランス。フロントはフラフラと動くのに対し、リアは突っ張るような動きでロールが少なく、結果的にフロントの動きに対して追従性がぎくしゃくしている。
真っ直ぐ走っている時はリアがコツコツと入力を伝えるのに対しフロントの上下動が過敏で大きく、乗員のアイポイントが常に上下に動くことになり、クルマ酔いや疲労に関係する。内外装の雰囲気や質感はあるのだから、走りの部分でも上質さを追求してほしい。
●水野和敏 ジャガーEペイスの取材メモ
・ジャガーのブランドにマッチした内外装の上質感は、オーナーの期待を裏切ることはない
・リアサスショックアブの伸び側減衰が強すぎてストロークを生かし切れていない。相対的にフロントがソフトすぎて操舵に対するクルマの動きが安定しない印象
・2Lターボは250ps、37.2kgmとのことだが、実際に走らせるとそのパワー感は感じられなかった
●【画像ギャラリー】雨の中を走り抜けるトヨタRAV4をギャラリーで!!!
■取材を終えて……
今回の取材、これまでのこの企画の取材では最悪ともいえる大雨の中での実施となったのであった。あまりの悪コンディションに「今日の取材はどうしますか!?」と水野さんにお伺いを立てたほど。
「なに言ってんの!? この雨だって箱根の山道は通行止めにはなっていないでしょ。だったら、こんな状況でもクルマ走らせて目的地に向かう人だっているのだから、このような悪条件下をしっかり走ってくれるか確認することも大切だよ」と、いつものように試乗評価を始めたのだった。
激しい雨のなか、ワイパー全開でも視界が遮られるような降り方をする時間帯もあったのだが、それでもSUVの2台は特に運転に気を遣わせることもなく、何ごともなかったように走ってくれたのは頼もしかった。
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