三菱エクリプスクロスPHEVが叶えるエコとは? LCAの最適解を考える【PR】

■LCAで考えたエクリプスクロスPHEVのメリット

 今回試乗したエクリプスクロスPHEVを例にとって、そのメリットを列記してみよう。

(1)57.3km(WLTCモード)と実用充分なEV航続距離がある。将来日本でも再エネ電力が増えてくれば充電時のCO2排出量が減るし、ユーザーの平均走行距離が少ない日本ではその大半をEV走行でまかなうことも可能。EVモードで走っている限り、LCAで計算するCO2排出量は純EVと変わらない。

(2)搭載するリチウムイオン電池は13.8kWhで、これは平均的なEVの4分の1程度の容量。製造時に大量のCO2を排出する電池搭載量をなるべく減らしたいというLCAのニーズにマッチしている。

(3)ロングドライブ時の航続距離はガソリンエンジンによって確保されているので実用上の不便/不安がない。また、熱効率の高いエンジンとハイブリッド技術によって、WLTCモード16.4km/Lの燃費を達成している。

エクリプスクロスPHEVは57.3km(WLTCモード)のEV航続距離をもつので、満充電すれば平均走行距離が少ない日本では日常レベルのほとんどのシーンはEV走行でまかなうことができる
エクリプスクロスPHEVは57.3km(WLTCモード)のEV航続距離をもつので、満充電すれば平均走行距離が少ない日本では日常レベルのほとんどのシーンはEV走行でまかなうことができる
撮影当日は編集部駐車場で一晩充電して、EVモードで51km走行可能であることをメーターが表示。都内の湾岸方面を経由して撮影しながらの実際のEV走行でぴったり50km程度走れた
撮影当日は編集部駐車場で一晩充電して、EVモードで51km走行可能であることをメーターが表示。都内の湾岸方面を経由して撮影しながらの実際のEV走行でぴったり50km程度走れた
お出かけ先のショッピングモールなどに設置されている充電スタンドなどを使えばさらに長い距離のEV走行も可能。CO2排出量を抑えられる
お出かけ先のショッピングモールなどに設置されている充電スタンドなどを使えばさらに長い距離のEV走行も可能。CO2排出量を抑えられる

 欧州環境機関発行のLCA検討基準をベースに、EU、日本、タイ、インドネシアの各国でCセグSUVのLCAを試算した結果が興味深い。

 CO2フリー電源に力を入れるEU圏では2030年あたりからEVの優位性がハッキリしてくるが、日本とタイでは2040年でもPHEVが優勢。インドネシアではなんと2035年時点でもエンジン車のほうがトータルではCO2排出量が少なく、2040年になってようやくPHEVがベストソリューションになるという計算結果が出ている。

 この試算が絶対的なものと言うつもりはないが、LCAで見たCO2排出量が地域によって大きく異なるのはまぎれもない事実。

 大手メディアのニュースソースは欧米主体だから、「これからはEVの時代」という報道ばかりが目につくが、世界はそんなに単純な原理で動いていないという点はしっかり認識しておくべきだと思う。

 いかがだろう。もちろん、EVにはEVならではのメリットがあるだろうし、年間5000kmも走らないようなライトユーザーなら、車重が軽く(車体部分の製造時CO2排出量が少ない)コストの安い軽で充分という考え方もある。

 しかし、同じセグメントの似たような車種で、EV、PHEV、HV、ICE(内燃機関)のLCAトータルCO2排出量を比べると、PHEVはなかなかバランスよく高得点を稼いでいるのが知られざる事実なのだ。

 いずれにせよ、クルマの電動化はどうやって電気を作るかという問題とセットで考える必要があり、国家単位でエネルギー政策を考えないとEVはそのポテンシャルを効果的に活用できない。CO2問題は、内燃機関をEVに置き換えればいいという単純な二元論に矮小化してはいけないと思う。

世界各国でエネルギー事情は異なっている。CセグSUVのLCAを試算した結果によると、EU圏ではEVが優位だが、再生エネルギーなどの割合が少ない日本などでは2040年でもPHEVが優勢といえる
世界各国でエネルギー事情は異なっている。CセグSUVのLCAを試算した結果によると、EU圏ではEVが優位だが、再生エネルギーなどの割合が少ない日本などでは2040年でもPHEVが優勢といえる

 さらに言えば、日本は2011年の東日本大震災で一時すべての原発が停止するなど、エネルギー問題でさまざまな試練を経ている。こうした災害時の経験をもとに、非常用電源として電動車を活用する試みが自治体や公共機関のネットワークを通じて広がっているが、ここでもPHEVの特性を活かした利用法が注目されている。

次ページは : ■V2Hなどの対応のためにエクリプスクロスは急速充電機能を備える

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