■V2Hなどの対応のためにエクリプスクロスは急速充電機能を備える
ちなみに、エクリプスクロスPHEVは全モデルに急速充電機能を標準装備している。もちろん、充電スポットなどで急速充電が使えるのは便利だが、基本的にPHEVに“電欠”はないから、それは本質的なものではない。
ここで三菱が目指したのは、車載バッテリーから高電圧のまま電力を出し入れすることで、V2H(Vehicle to Home)機能を提供すること。非常時の電力供給や、送電ネットワークの中に組み込んでピークシフトに貢献するなど、これからの電動車両に求められる新たな役割を重視しているからだ。
今回の取材では、V2H(Vehicle to Home)システムを活用されているユーザー宅を訪問。昼は住宅のソーラーパネルで発電した電力をエクリプスクロスPHEVのバッテリーに蓄え、夜は割安な夜間電力とあわせて家庭で使用するというスマートなライフスタイルを拝見した。
クルマだけではなく、住宅で消費するエネルギーを効率化すれば、CO2排出量はその分削減できる。しかも、万一災害で停電になったような場合には、ガソリンさえあれば継続的に電力を供給できるPHEVの特性が役に立つわけだ。
これからのクルマは、自宅の車庫に停めている時には電力利用の効率化に貢献し、災害時には近隣のエネルギーインフラを補完する役割もこなす。それが新しい常識になる可能性は高い。
ちょっと前に自動車業界では「CASE」、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、Electric(電動化)なんていう概念が流行ったけど、そこにEnergy Optimization(エネルギー最適化)とDisaster Relief(災害救援)を加えて「CASEED」にしてほしいと思ったね。
これまで、エクリプスクロスPHEVには何度も試乗し、その走りの気持ちよさや前後2つのモーターを巧みに制御するS-AWCのハンドリングもたっぷり堪能したが、今回はそういった「動的性能」の部分からすこし離れ、LCAでみたときの優れた環境性能、V2Hを使ってスマートホームを実現する魅力、また災害時の給電ネットワークなどについて考察してみた。
そこで感じたのは、なんというか、走りも機能も「奥の深〜いクルマだなぁ!」という印象。あらためてエクリプスクロスPHEVの面白さを発見した取材でございました。
■エクリプスクロスPHEV:価格
・P(4WD):447万7000円
・G(4WD):415万2500円
・M(4WD):384万8900円
■エクリプスクロスPHEV 主要諸元
・全長:4545mm
・全幅:1805mm
・全高:1685mm
・ホイールベース:2670mm
・最低地上高:185mm
・車両重量:1900~1920kg
・エンジン:直4DOHC
・総排気量:2359cc
・最高出力:128ps/4500rpm
・最大トルク:20.3kgm/4500rpm
・モーター(前):82ps/14.0kgm
・モーター(後):95ps/19.9kgm
・ハイブリッド燃料消費率 WLTCモード:16.4km/L
・EV走行換算距離:57.3km
■取材協力
・株式会社サニックス
福岡市博多区博多駅東2丁目1番23号
0120-39-3290
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