Bremboはハイパフォーマンスブレーキシステムだけではない!! ブレンボが目指す近未来【PR】

 そういう意味でいうと、まさにセンシファイはそのニーズに応えるべく開発されたブレーキシステムといっていい。

 各種システムのソフトウェアをセンシファイに統合することで、モジュールごとに開発されていた機能をより高次元で統合することが可能だし、従来システムでは不可能だった4輪ブレーキの完全独立制御によって、ブレーキや操安性/スタビリティなどの車両運動性能の向上も期待できる。また、ブレーキシステムの統合によって、ABS/ESPモジュールなどのハードウェアが不要になるというコストメリットも見逃せない。

 このあたりを考察してゆくと、センシファイがかなり裾野の広いマーケットを見据えていることがわかる。

 これまでもブレンボはモータースポーツや高性能スポーツカーにおけるブレーキ性能の向上を下支えに、一般乗用車、商用車の安全性を最重要課題にブレーキシステムの開発、製造をしてきたが、センシファイはさらなる効率アップやブレーキ制御の緻密化による安全性の向上に寄与するところ大なのだ。ブレンボの挑戦が、これまでとは異なるステージに移行しつつあるのがうかがわれる。

 実際、世界15か国に開発拠点や製造を展開し、世界各国の自動車メーカーとOEM納入の実績のあるブレンボは、多くのクルマ好きがイメージするハイパフォーマンスカーだけではなく、普及モデル用や商用車、大型車のブレーキシステムも開発し、納入している。こうした一般的なクルマにもセンシファイが導入されることで、ブレーキシステムは間違いなく新たなフェーズへと足を進めることになる。もちろん、センシファイ(ドライシステム)がプレミアムカーやラグジュアリカーセグメントにも適したソリューションであることは言うまでもない。

 さて、そうなるとブレンボファンから「スーパーパイパフォーマンスカー用ブレーキはどうなる?」という心配の声が上がるかもしれないが、そういうニーズに応える製品として用意されたのが、センシファイのもうひとつのバリエーションであるウェットシステムだ。

ハイパフォーマンスカーのフロントブレーキなど、大型の対向ピストンキャリパーには「ウェットシステム」が用意される。キャリパー近くにブラシレスモーターを内蔵した電気油圧アクチュエータが配置され、1輪ごとにブレーキの動作を制御するのだ<br>
ハイパフォーマンスカーのフロントブレーキなど、大型の対向ピストンキャリパーには「ウェットシステム」が用意される。キャリパー近くにブラシレスモーターを内蔵した電気油圧アクチュエータが配置され、1輪ごとにブレーキの動作を制御するのだ

 ウェットシステムというネーミングから想像されるとおり、こちらのセンシファイには油圧ラインが存在する。キャリパー内部でパッドを押すのは、従来のシステムと同じく油圧シリンダーだ。

 ただし、その油圧を制御するメカニズムはこれまでのブレーキとはまったく異なっている。

 蓄圧タンク(アキュムレータ)に蓄えられた油圧でブレーキを作動させるという意味では、前記の2代目プリウスと同様な仕組みだが、センシファイ・ウェットシステムの特徴はブラシレスモーターを内蔵した電気油圧アクチュエータ(EHA)がマスターシリンダー側ではなく、各ブレーキキャリパーの可能な限り近い場所に付いているということだ。これによって、制御用のECUからはドライシステムとまったく同じに見え、制御も電気信号によって行われる。開発者からは、パラメータの修正だけで制御ソフトウェアの適合が可能となる。

 また、ブレーキパフォーマンスという意味でもウェットシステムは強力だ。パッド面積が大きなブレーキの性能を効果的に引き出すためには、ブレンボの固定式対向ピストンアルミキャリパーが最適だ。さらにセンシファイのウェットシステムでは可能な限りキャリパーの近くにアクチュエータが配置されていることで制御のレスポンスでも圧倒的優位となる。大型キャリパーをセンシファイのシステムに使うことで、強力で安定した性能のブレーキを高精度に制御することが可能となり、スポーツカーやレーシングカーに対応するパフォーマンスを発揮することになる。

従来システムとは次元の違う緻密なブレーキコントロールで、姿勢制御の可能性が格段に広がった

 そんな革新的なセンシファイだが、単なる夢物語ではなくすでに量産対応レベルの開発を終え、2025年には量産車に組み込まれて市場にデビューすることが発表されている。

センシィファイのシステムはすでに実車に搭載されて試験走行を繰り返している。従来のマスターシリンダー方式ではなしえない繊細な制動力コントロールが可能で、高い姿勢制御能力を見せる
センシィファイのシステムはすでに実車に搭載されて試験走行を繰り返している。従来のマスターシリンダー方式ではなしえない繊細な制動力コントロールが可能で、高い姿勢制御能力を見せる

 実際、フロントにウェットシステム、リアにドライシステムのセンシィファイを搭載した試験車両にベストカー編集委員が乗って体感したのだが、ウェット路面での旋回フル制動のような、特に姿勢が乱れやすい場面で従来システム搭載車に対し、圧倒的な安定感を実感したという。また、ウェット試験路での緊急危険回避を想定したレーンチェンジでも同様に、リアがブレイクする! と身構える場面でも、緻密でリニアな4輪独立制動力制御が姿勢乱れを最上限に抑え込む。

 こうした緻密で確実な車体姿勢制御システムは、来るべき自動運転時代には必須のデバイスとなる。

低ミュー路面でのブレーキングでは従来ブレーキのABSをはるかにしのぐ繊細な制動力制御により、姿勢を乱すことなく短距離で停止することができた
低ミュー路面でのブレーキングでは従来ブレーキのABSをはるかにしのぐ繊細な制動力制御により、姿勢を乱すことなく短距離で停止することができた

 それを見据えてブレンボはまた、ソフトウェア開発、データサイエンス、人工知能の開発に注力している。これもまたSENSIFYで目指す統合車両姿勢制御の進化に繋がり、自動車の安全性、快適性を向上させる大きなファクターとなる。その開発拠点となるのが米国シリコンバレーに置かれた「ブレンボ・インスピレーション・ラボ」なのだ。また、生産過程で自社開発したデジタルソリューション(ソフトウェア)を他業界の企業にも提供する試みにも積極的。例えば生産プロセスの最適化、品質管理の最適化などを他社に提供するのだ。こうした「ブレンボ・ソリューションズ」もブレンボ社のデジタルを活用した新たな取り組みといっていい。

 高性能ブレーキとして不動の信頼を勝ち得て来たブレンボが、電子制御ブレーキという新たなステージでどんな旋風を巻き起こしてくれるのか? 大いに期待して待ちたいと思います。

https://www.brembo.com/jphttps://www.brembo.com/jp

【画像ギャラリー】Bremboはハイパフォーマンスブレーキシステムだけではない!! ブレンボが目指す近未来(8枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

トヨタセリカ復活計画、始動!? 新型ホンダフリードの獲れたて新情報も盛りだくさん!【ベストカー6月10日号】

トヨタセリカ復活計画、始動!? 新型ホンダフリードの獲れたて新情報も盛りだくさん!【ベストカー6月10日号】

トヨタ自動車の壮大なるBIGネーム復活計画の第四弾は……なんとトヨタセリカ!? 新型ホンダフリードの注目情報や、レーシングドライバー岩佐歩夢選手の新旧ホンダスポーツカー試乗など、GW明けから全力投球な企画だらけです!