死亡災害の「飛来・落下」の事故事例
「飛来・落下」の死亡災害では、
「トラックの荷降ろし作業中にフォークリフトから荷(約1t)が落下し、近くの作業者が下敷きになった」。
「荷降ろしのためトラック後部の観音扉を開けた際、パレット荷物(約220kg)が落下してきた。荷の固定は行なっていなかった」。
「積み込みのため、テールゲートリフターに機械(約400kg)を2名で載せて50cmほど上げたときに機械が落下し作業者が下敷きになった。機械の車輪止めをロックしていなかった」。
「架台に固定された荷(約822kg)をトラック荷台から降ろすためにあおりを下げたところ、荷が架台とともに倒れてきたため支えようとしたが、荷の下敷きになった」。
「機材(約4.4t)をクレーンでトラックに積み込み、荷台上で吊り具を外し荷台への固定作業の準備をしていたところ、機材が倒れ下敷きになった」。
「トラック荷台に鋼板を3列×3段に積みチェーンレバーを使い緊結中、荷台反対側で荷主側フォークリフトが最上段の束を位置調整していたところ、最上段の束(約400kg)が押し出され落下し緊結中の作業者が下敷きになった」。
といったように、荷などの固定を行なっていなかったことや、危険な状態での作業による災害が発生している。
死傷災害の発生状況
死傷災害も前年より増加し、死亡災害と同様に高い水準が続いている。
死傷災害における事故の型別の状況は、陸運業において多くの死傷災害が発生している「墜落・転落」「転倒」「動作の反動・無理な動作」「はさまれ・巻き込まれ」の上位4つの事故が多く、死亡災害で最も多く発生した「交通事故(道路)」がそれに続いている。
「墜落・転落」は、死傷災害の中で最も多く発生しているものの、令和4年から徐々に減少。いっぽう「転倒」は令和2年から右肩上がりで増加している。
また、令和2年から急増した「動作の反動・無理な動作」は徐々に減少しているものの高止まりしており、死亡災害で前年から増加した「はさまれ・巻き込まれ」および死亡災害で最も発生している「交通事故(道路)」についてはほぼ横ばいとなっている。

死傷災害については、今後も荷役作業による災害防止対策に取り組んでいくとともに、特に最近増加している転倒災害防止対策に一層力を入れていく必要がある。
陸災防では、「死傷災害の増加傾向に歯止めが掛かるよう、全国での安全講習会の実施、個別的指導等を通じ、労働災害防止活動に一層取り組んでまいります」としているが、トラックドライバー自身も気を引き締め、職場における安全点検の実施、安全意識の高揚などの対策を講じて欲しいと思う。
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