1984年のジュネーブモーターショーで公開されたフェラーリ GTO。グループBのホモロゲーションモデルだ
GTOのデザインを担当したのはイタリアのカロッツェリア・ピニンファリーナ。ブリスターフェンダーで拡げられた全幅とダックテールスタイルは唯一無二のディテールといえる
リトラクタブルヘッドライトは308シリーズの流れをくむもので、GTOでも採用された。ラジエターグリルに2つのドライビングライトが装備されているのもGTOの特徴
フロントフードにはラジエターやバッテリー、クーリングダクトなどが備わる。空いたスペースを活用してスペアタイヤも設置されており、ラゲッジスペースとしての使用はできない
1962年から1964年まで世界選手権に参戦していた250GTOのフロントフェンダーにもあった3本のスリットはリアフェンダーに継承された。エンジンルームの熱を逃がすための効果もあった
GTOに装着されたホイールはスピードライン製マグネシウム合金。ホモロゲーション取得のため耐久レースで有利なセンターロック式が標準採用された。外径は前後とも16インチ
インテリアはブラックレザーでシックなデザインながらゴージャスな雰囲気も持ち合わせている。オプションでパワーウィンドウやエアコン、ラジオなどの快適装備も用意されていた
視認性に優れた大型のタコメーターとスピードメーター。中央上部のメーターは油圧計で下部はブースト計。センターコンソールにも3つの補助メーターが備わる
シートは中央がえぐられたバケット形状。ホールド性に優れ、通気性も確保されている。オプションでオレンジ色のファブリックシートも用意されていた
トランスミッションは素早いシフトワークができるオールシンクロメッシュ5速。シフトゲートが設けられているおかげで的確なシフト操作が可能
現代のスーパースポーツのようなドライバーをアシストする電子デバイスは当然装備されていない。乗る人を選ぶ、文字通りの跳ね馬だ
フェラーリ初のツインターボエンジンは、2つのタービンの両バンク上部にインタークーラーがそれぞれ配置され、最高出力は400馬力。2基がけしたタービンは日本のIHI製