超低床ボディにクレーンを備えた本格派だ
羽山組の依頼を受け、本所自動車工業が製作した「超低床重量物運搬車」。三菱ふそうGVW25t級シャシーを短尺化したGVW22t級の改造シャシーをベースに、超低床ボディを架装。4.9t吊りの重量級クレーンを備えたヘヴィデューティなつくりボディだ
低床化に寄与する「串刺し型」サブフレームは、通常タテ根太に重ねて配置するヨコ根太をタテ根太に貫通させるもの。今回はヨコ根太のピッチを260mmと詰めて配置することで耐久性も高められている
荷台は5方開で、高さ150mmのアオリを搭載。床板は信頼性の高いアピトン材だ。ちなみに「5方開」とはアオリが5カ所(左右4カ所と後1カ所)開くという意味である
豊富な収納スペースを擁す「棚型」鳥居は重量物運搬車が元祖。後ろ側の収納スペースは6カ所で、すべてロック付きの蓋が備わり防犯性も高い
鳥居側面はキャブバッククレーンを取り囲む独自のレイアウトが特徴。収納スペースはショルダー部に左右独立タイプを1対、下段に枕木など長尺物を収める左右貫通式を1カ所備える。また、小さな空きスペースは物置台や足踏み台に活用。デッドスペースが少ない合理的なデザインだ
タダノ製4.9t吊りクレーンはフロントのみならずリアにもアウトリガーを備えるヘヴィデューティ仕様。ショートホイールベース化したことで前後の重量バランスとリアアウトリガーの搭載スペース確保には苦労したようだ
ホイールベースを短尺化した上で前後アウトリガーを備えるためシャシー下回りの空きスペースは少なめ。それでも限られた空間に収納スペースを備え、使い勝手も考慮している