【画像ギャラリー】脱原発はどこへ? 経産省のエネルギー基本計画の素案とは


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 2020年12月17日のメディアとのオンライン懇談会にて豊田章男自工会会長は、ハイブリッドやPHV、EV、FCVなど、電動車=EVと単純に報道したメディアに対して苦言を呈した。

 電動車にはさまざまな選択肢があるのにもかかわらず、最後はEVになるという実態を正そうと1つの試算を紹介するとともに、電力の89%を原子力発電や再生可能エネルギーが占め、火力が11%のフランスと比べて日本は火力発電への依存度が大きく、国の大幅なエネルギー政策の転換が必要とし、急速なEVの普及に対し、強い危機感を示した。

 そしてこのような事情を踏まえてカーボンニュートラルを考えた場合、トヨタのヤリスは日本の東北地方で作るよりもフランス工場で作るほうがよいということになり、日本で作れなくなってしまうと発言。

 さらに日本の乗用車保有台数(約6200万台)を全部EVに置き換えた場合、夏の電力使用ピーク時に電力不足に陥り、これを解消するには電力ピーク時の能力を現状より+10~15%増強する必要があり、その能力増は原発で+10基、火力発電で+20基の規模に相当すると試算。
 
 また日本の乗用車保有台数をすべてEVにした場合、充電インフラの投資コストは約14~37兆円と試算。自宅のアンペア増設は1個あたり10万~20万円、集合住宅の場合は50万~150 万円、急速充電器の場合は平均 600万円の費用、約14~37兆円の充電インフラコストがかかるというのが実態であると指摘。
 
 生産で生じる課題としては乗用車の年間販売台数400万台がEVに置き換わると、電池の供給能力は現在の約30倍以上、能力増コストとして約2兆円と試算。
 
 EV生産の完成検査時には充放電する必要な電力は、現在EV1台の蓄電量は家1軒1家庭で1週間ぶんの電力に相当し、年50万台の工場では1日あたり5000軒ぶんの電気の充放電に相当。火力発電でCO2をたくさん出し、各家庭で使う1日あたり5000軒ぶんの電力が単に検査で充放電されるという。

 豊田章男自工会会長はこうした試算を示しながら「そのことをわかって政治家のみなさんがガソリン車をなくそうと言っているのか。是非、正しくご理解いただきたいと思っています」と発言した。