アイゴはAセグメントの欧州戦略車として2005年に登場した。生産はチェコ共和国。PSA(プジョー・シトロエン)と共同開発しており、フェイス違いの兄弟車として販売されている
欧州に投入されるにあたり、Aセグの車両らしく、 コスト低減は徹底して進められた。一見この写真では一つ上のクラスとなるヤリス(ヴィッツ)と差が無いように見える。バックドアはガラス一体のハッチ式で開口部もそれなりだ
2代目アイゴは2014年に発売開始され現在に至る。先代と同様にコスト最優先の「割り切り」が随所にみられる。エンジンは1L3気筒(72ps)エンジンを搭載
2代目となり更にリアドアのガラスが小さくなったようだ。先代からの伝統でリアドアのガラスは昇降せず、ヒンジ式で外側に若干開くだけだ
2代目アイゴのインパネ。ピアノブラックの化粧板を使用する等、質感は上がっている。ただエアコンの吹き出し口はフロントでさえ2か所しかない
フロントシート。サイズは大きいがヘッドレスト一体型の簡素な仕様だ
リアシート。ヒンジ式の為レギュレーターハンドル(昇降用のハンドル)すらないばかりか、ドアパネルが大胆に露出している
ラゲッジスペース。限られたスペース(全長3455×全幅1615)の中で室内を確保している為、ラゲージスペースは日本の軽に近い。リアシートに装着されるパネルがいかにも欧州仕様らしい
そして2022年モデルとして投入されたのがアイゴXだ。アイゴの伝統を引き継ぎつつSUVへと進化させた。全長3700㎜×全幅1740㎜×全高1525㎜。エンジンは先代と同じ3気筒1Lを搭載。5MTとCVTを用意する
リアデザインも一目でアイゴと分かるデザインだ。伝統のテールゲート一体型ガラスハッチも継続採用だ
インパネ周り。9インチのタッチ式ディスプレイのマルチメディアシステムが目を引く。クラウドベースのナビアプリも使用可能だ、
実はアイゴ登場と同時期にトヨタは革新的なマイクロカーを発表していた。それが「iQ」だ、3mに満たない全長に4人乗りを実現しようという大いなる野望を持って登場、世界を驚かせた
トランスミッション構造を変更しエンジンに対してタイヤ位置を前に、またギヤボックスの上方配置、燃料タンクをフラット化し床下に搭載するなどの手法を駆使し、超高効率パッケージを実現
iQのコクピット。デザインには、巻き貝や波紋などを基に造られた数理モデルを用い、自然界の造形美を活かした線や面が内外装のデザインに採用された
ミリ単位のコンパクト化の積み重ねにより4人乗りを達成!ただそれだけ凝った仕組みを数多く採用した為か価格は高め。それ故、アイゴや軽自動車の競合には勝てず、4万台弱の生産にとどまってしまった
日本ではもっともコンパクトなSUVに分類されるヤリスクロスもアイゴXの1ランク上のセグメントとなる。1.5Lのコンベ及びハイブリッドの2つのパワートレインを用意
インパネデザインはヤリスそのものだ。ただ全幅が拡がり車高も高くなったため、SUVらしい開放感を得ている
フロントシートも余裕がある。最上級グレードにはパワーシートも装備し、快適性にも抜かりが無い
ヤリスでは狭いと評価されてしまったリアシート。広々とまではいかないが、大人が4人座れるスペースは確保した。アームレストも装備しており、アイゴXのシンプル過ぎる後席では日本では不満点になってしまうかもしれない
ラゲージスペース。アイゴXと比べてやはり格段に広い。日本のSUVには荷室の確保もマストとなるため、このスペースは是が非でも欲しい。となるとアイゴXのスペース感では日本市場ではちょっとつらいか