■シトロエン・DS現行モデルと歴代シトロエンの名車たち
シトロエン C3/○な部分……コンパクトカーながら個性的な内外装だけでなく、ストローク感あるしなやかな乗り心地を備えるなど、濃厚なシトロエンらしさを備えている/×な部分……プジョー208に対しプラットフォームが一世代古いせいもあるのか、広いクルマではない。価格も以前ほどのお買い得感はなくなってしまった/価格:265万8000~293万6000円
シトロエン C3エアクロスSUV/○な部分……C3同様に個性的な内外装に加え、SUV化によりキャビンとラゲッジスペースもコンパクトクラスとして考えるなら充分なスペースを持つ/×な部分……SUV化によりC3に対しサスペンションが硬い方向となっているためか、シトロエンに期待するしなやかな乗り心地は若干薄味な傾向にある/価格:327万1000~371万2000円
シトロエン C4/○な部分……クーペルックのクロスオーバーながら、広いキャビンとラゲッジスペースを備える。PHCによるしなやかな乗り心地やディーゼルの設定も◎/×な部分……後方から見ると、クロスオーバーというジャンルを考慮しても腰高に見えるスタイルは好みが分かれるかも。ガソリン車が受注生産なのも要改善/価格:312万9000~372万3000円
シトロエン E-C4/○な部分……50kWhのバッテリー搭載により、航続距離405kmというCセグメントのEVとして充分な性能を持ち、家庭での6kWh充電にも対応する点は素晴らしい/×な部分……E-C4と同じEVユニットを使うプジョーe-208などにトラブルが多発しており、E-C4についてもトラブル解消までは様子見するのが無難だ/価格:515万円
シトロエン グランドC4スペースツアラー/○な部分……巨大なガラスルーフによる明るい車内の雰囲気や「雲に乗っているよう」と表現したくなる乗り心地など、濃厚なシトロエンらしさを持っている/×な部分……3列目シートへのアクセスの悪さと狭さに加え2列目シートが独立タイプとなる点が、日本的なミニバンの使い方には合わないこともあるだろう/価格:453万6000円
シトロエン C5 X/○な部分……クロスオーバーにセダンの快適性をミックスしたというコンセプトの面白さ。このボディサイズながら1.6Lターボという点も実にフランス車らしい/×な部分……大きな×はないが、あえて挙げるならプラグインハイブリッドのバッテリー搭載量をもう少し増やし、EV走行距離が延長されるとなおいい/価格:484万〜636万円
シトロエン C5エアクロスSUV/○な部分……プログレッシブ・ハイドロリック・クッション(PHC)の採用もありシトロエンらしさが濃厚な乗り心地と腰のあるハンドリングを両立。ディーゼルターボの動力性能と燃費のバランスも良好で魅力的だ
シトロエン C5エアクロスSUV/×な部分……欧州は日本に比べて4WDの需要が少ないこともあり、この点について要求するのは酷かもしれないが、日本での使用を考えるとこのクラスのSUVになるとやはり4WDの設定が欲しいのも事実だ/ボリュームを感じさせる独創性のあるリアデザイン
シトロエン C5エアクロスSUV/室内はシック/全長4500×全幅1850×全高1710mm、1997cc、直4ターボ(177ps/40.8kgm)、15.0km/L/価格:436万1000~571万2000円
シトロエン ベルランゴ/○な部分……シトロエンらしい個性的なエクステリアに加えクロスオーバー的なキャラという、楽しげな雰囲気を持つ点。1・5Lディーゼルターボというエンジンもフランス車らしく、充分な動力性能と良好な燃費を両立
シトロエン ベルランゴ/×な部分……シトロエンとしては普遍性があるモデルゆえに、車格のわりに広い1850mmという全幅がネックになるユーザーが少なくないかも。また、リアシートが独立タイプとなる点も使い方に合うかは要確認だ/サイドモールがアクティブ感を強調し楽しそうで元気に見える!!
シトロエン ベルランゴ/リアシートは全席にチャイルドシートの装着が可能/価格:367万6000~404万5000円
DS DS3クロスバック/○な部分……コンパクトクロスオーバーながら個性的なだけでなく格調高い内外装や、プレミアム性も感じる乗り味といったDSらしさを存分に備えている点が最大の魅力。マニアックなモデルだけに希少性も大きな魅力となる/C3エアクロスより明らかに上質感のあるデザイン
×な部分……広いクルマではないので、後席の使用が多い人には薦めにくい。EVのE-TENSEはE-C4と同様、トラブル多発のe-208などとEVユニットが共通なため、トラブルが解決するまでは様子を見たい/価格:408万4000~542万円
DS DS4/○な部分……DSらしい塊感あふれるエクステリアとモダンさも備えるインテリア。乗って感じる重厚な乗り心地や高い静粛性といった高いプレミアム感も魅力/×な部分……DS4以外のDSやシトロエンにも共通するが、慣れるまでは操作系が使いにくい傾向。ただ、それを使いこなしてこそフランス車乗りとも言える/価格:398万~572万円
DS DS7クロスバック/○な部分……このクラスになると、高級感あふれる革シートのデザインやエンジンをかけるとアナログ時計が現われる点など、一層濃厚なDSらしさを味わえる/×な部分……主力となる20インチホイール仕様だと低速域で乗り心地が固めに感じることがあり、18インチホイールを履くグレードの拡大が望まれる/価格:536万~754万1000円
DS DS9/○な部分……C6以来となる大型シトロエンというポジション。DSらしい個性とシックなゴージャス感をバランスさせたインテリアや大型シトロエンにふさわしいどこまでも行けそうな高い快適性も大きな魅力だ/伸びやかなフォルムのラージセダンは粋すぎるぜ!!
DS DS9/×な部分……高級車のユーザーは保守的な層が多いことを考えると、DS9はまだ認知度が低い点が弱点かもしれない。しかし、その点を逆手に取って個性派向けの高級車と考えると、非常に面白い存在とも言える/価格:655万~819万円
ここからは歴代シトロエンの名車たちをご紹介。まずは2CV(1949~1990年)低燃費、低価格といった経済性をメインとしながら「悪路でも卵が割れない」など、シトロエンらしさも備えたフランスの国民車的存在
DS(1955~1975年)UFOのようなエクステリアやハイドロニューマチックを持つ大型シトロエンの元祖。フランス政府の公用車としても長年使われた
AMI(1961~1978年)2CVのひとクラス上となる小型車。セダンのAMI6、5ドアセダンのAMI8、排気量を1Lに拡大したAMIスーパーなどが設定された
SM(1970~1975年)DSをベースに、当時提携関係のあったマセラティのV6エンジンを搭載したラグジュアリークーペ。生産期間は5年と短命だった
CX(1974~1989年)DS後継となる大型シトロエン。DSほどではないが、個性的な空力ボディを持ち、5ドアセダンがメインなのもシトロエンらしかった
タイプHバン(1948~1981年)商用1BOXバンながらFFレイアウトという珍しいモデル。用途に合わせ多数のバリエーションがあり、30年以上生産された人気車
BX(1982~1994年)欧州では「没個性」とも言われたが、ハイドロニューマチックを備える点など充分個性的だったことで日本人にも受け入れられた
ZX(1991~1997年)プジョー306に対応する今で言うCセグカー。機能的にはオーソドックスだったが、内外装は充分にシトロエンらしいものだった
エグザンティア(1993~2001年)BXの後継となるDセグカー。ハイドロニューマチックはハイドラクティブIIに進化し、個性的かつ完成された内外装も魅力だった
C6(2005~2012年)XMから数年を経て復活した大型シトロエン。ハイドロニューマチックはハイドラクティブIIIプラスに進化し、隠れファンも多かった