移動の新しい価値を目指して、ソニーとホンダがタッグを組んだ「ソニー・ホンダモビリティ」。同社は今年の1月、北米ラスベガスでAFEELA(アフィーラ)プロトタイプを発表したのだが、そいつが日本に上陸し、ジャパンモビリティショーで初公開されることになった。2025年発売とされるその出来栄えはいかに?
文と写真/ベストカーWeb編集部
■カメラとセンサーを45個搭載。秒間演算回数は800兆回!
完全自動運転が実現すれば、クルマのパワーや0-400mタイムは意味を失い、代わりにエンタメ環境やソフトウェアによるアップデートがクルマの新しい価値になるといわれる。そんな最先端のクルマ作りに挑むのがソニー・ホンダモビリティだ。
2023年1月、同社はアメリカのラスベガスで「AFEELA」というブランドを立ち上げた。
AFEELAは、の語中に「FEEL」という単語を含んでいる通り、「人がモビリティを“知性を持つ存在”として『感じる』こと、また、モビリティがセンシングとネットワークに代表されるIT技術を用いて、人と社会を『感じる』こと」というインタラクティブな関係性を表現しているという。
そのコンセプトを表現しようと、AFEELAは同時にセダンタイプのプロトタイプを発表した。
このクルマが表現しているのは、新しいクルマの価値。これまでの動力性能やパフォーマンスに代わって、ソフトウェアやネットワーク、ユーザー体験が新しいクルマの魅力となることを具体化したものだ。
パワートレインはもちろんフルエレクトリックだが、詳細は明かされていない。代わりに判明したのはクルマに張り巡らされた「神経系」。車内外の情報取得のために計45個のカメラとセンサーを搭載しており、その処理に用いるクアルコム製SoCは800TOPS(秒間800兆回)という演算処理能力を誇る。
エクステリアは、空力特性に優れた4ドアクーペ的造形だ。全長4895mm、全幅1900mm、全高1465mmというサイズは、トヨタ・カムリに近い。ドアノブはなく、オーナーの接近をカメラが自動認識して、ドアを開く仕組みだ。
■2025年に受注開始! 同年中には発売!
フロントマスクとテール部分には、メディアバーと呼ばれる横長ディスプレイが備わる。クルマの意志を外部に伝えるインフォメーション的役割を担い、バッテリー残量やエンターテインメント情報など、多彩なコンテンツを表示する。
このクルマがあえてシンプルなスタイリングをまとったのは、メディアバーという魅力をアピールするために違いない。
運転席に乗り込むと、左右目いっぱいに広がるパノラミックスクリーンに目を奪われる。
ここには車両情報やもちろん、音楽や映像、ゲームなど多様なコンテンツが表示でき、ドラッグやフリック操作で自在なカスタマイズも行える。スクリーンの視認性確保のために、ステアリングも上部をカットしたヨーク型(操縦桿タイプ)を採用したのだという。
キャビン全体は、繭に包まれたような白基調のラウンドデザインで、装飾性をあえて排除したという。
3000mmというホイールベースのお陰で足元も広々。上を見上げると広大なガラスルーフが広がり、360度の広がりを持つというオーディオシステムとともに、極上のエンタメ空間が感じ取れる。
一見、未来の乗り物のように感じられるAFEELAプロトタイプだが、その姿は遠からず道を走り始めるはず。ソニー・ホンダモビリティでは、2025年前半に受注を開始し、同年中の発売を予定している。ソフトウェアを軸とする新しいクルマの姿を、早く見てみたい!
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