『MFゴースト』の世界観で実車チューニング!! 織戸学が「GR86MFGコンセプト」を徹底解説

GR86になっても変わらないハチロクらしさ

ヤンマガ／「GR86MFGコンセプト2022」プロジェクトは、GR86をベース車両として、RZグレードの純正タイヤサイズである215／40R18を開発の軸にスタートしました。ベース車となる新型GR86ですが、これまでの86との違いはどこにあるのでしょうか？

織戸／まず、なんと言ってもエンジンが2.4Lになったのは大きいですね。トルクがあるので、これまで比較的苦手としていた上りも楽に走れます。エンジン特性も吹け上がりが良く、スポーツ性が高いです。ボディ剛性も、明らかに高くなったことが体感できます。走り自体には関係ないかもしれませんが、ダッシュボードの形状が水平で直線的なんですね。これはスポーツ走行する意味で、メリットが大きいです。などなど、細かい部分も含め、すべてのポイントでワンランク上の仕上がりになっていると思います。

ヤンマガ／車格が上がったということでしょうか？

織戸／車格が上がったというよりも、ハチロクらしさを突き詰めたという表現が正しいかな……。ルーフをアルミにしたり、着座位置を下げたりで、軽量・低重心のボディバランスを変えずに、モアパワーと剛性を得たことで、意のままに操るハチロク感が増し増しになってる。運転していて、ホント楽しいクルマです。

ヤンマガ／織戸さん、ベタ褒めですね!?

織戸／この企画のアドバイザーが言うのもなんですが、正直、ノーマルでも十分楽しめますよ！

もしもMFGに出走するなら……「勝てるGR86チューニング」を考える

ヤンマガ／自分もテストコースでGR86に試乗させてもらう機会があり、低速域から高速域まで、走りに余裕を感じました。これは、欲しいと思わない人がいないんじゃないですか……？ ただし、MFG出走を視野に入れたスポーツ走行を考えると、ノーマル車両の限界はあると思いました。

織戸／そりゃそうだよ。MFGのレースに出走しても、ノーマルではさすがに勝てません！ 勝つためには、それなりのチューニングが必要です。

ヤンマガ／ですよね……。それではそろそろ、MFG出走を想定して組まれたメニュー「GR86MFGコンセプト2022」を解説いただけますか？ まずは、チューニングの核となる215／40R18（RZグレード純正サイズ）のスポーツタイヤ「YOKOHAMA ADVAN NEOVA AD09」です。AD08Rからの後継で、9年ぶりの新作となります。

織戸／AD09の特徴は、横浜ゴム史上最高レベルのケーシング剛性であること。コントロール性能に加え、MFGのような一周何十キロメートルのコースで力を発揮する耐摩耗性能も兼ね備えています。僕もいろいろと口を出して、最強のストリートスポーツタイヤが完成しました。トレッドパターンもカッコいいでしょ？

ヤンマガ／シートは、ブリッドのスーパーセミバケットシート「GIAS III」です。こちらは、16年ぶりのフルモデルチェンジ。

織戸／GR86自体の完成度が高いから、一番最初のカスタマイズはシートをオススメしますね。ホールド感を高めることで、クルマの挙動を感じやすくなるし、路面から得られる情報も多くなる。GR86の特性を堪能できるパーツです。「GIASIII」は初期段階から開発に僕も関わっていて、リクライニングできる利便性を確保しつつもフルバケットに匹敵するサポート力を発揮します。

ヤンマガ／ホイールはレイズの「TE37 SAGA」から「TE37 SAGA S-plus」にアップデートしました。2021年の新作で、持久体力で約15～17％アップ、剛性数値で約7％アップされています。

織戸／一時期は軽いことを競っていたけど、クルマやタイヤの性能が急激に上がってきているので、いま、ホイールは「剛性」がもっとも重要なファクター。とはいえ、重いホイールでは勝負になりません。重量と剛性の高次元バランスが重要で、意匠を変えずにアップデートを重ね続けるTE37が、高性能な鍛造ホイールシリーズであることに間違いないです。

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