■最近の新車販売現場でみられる保険料の傾向
しかし、最近では新車販売現場で聞くと、「年配のドライバーがよく乗っている、おとなしいクルマの方が保険料が高いこともある」という話を聞いたことがある。
試しに、テレビニュースで報道されていた高齢ドライバーが暴走事故を起こしたとされる某車の保険料算定基準となる保険料率クラスを見ると、確かに高めとなっていた。
しかも2ドアスポーツクーペのほうが料率クラスは低かったのである。もちろん、このような傾向は高齢ドライバーが多いだけではない。どうしても事故が多くなるレンタカーなどのフリートユースや社用車ニーズの多いクルマは料率クラスが高めとなっているようである。
ある新車販売セールスマンは、「コテコテのエアロ系ミニバンやクーペというと、事故が多いと思いがちですが、実はそもそもユーザー年齢をみると若者は少なく、若いころクルマ好きだった方や、コレクターアイテムとして楽しむお客様が多いので、大切にお乗りになるので事故は目立って多くはありません」とのこと。
それでは高齢者の事故はそんなに目立っているのかというと、損害保険料率算出機構の資料によると、年齢別でみると高齢ドライバーの事故が目立って多いというわけではないとのこと。ただ、しばしばテレビニュースで取り上げられるような重大事故の発生は多くなっているとのことである。
最近というわけではないが、新車購入時に車両保険の加入を熱心に勧められるようになって久しい。筆者も気候変動が目立ってきて、夏に“ひょう”がよく降るようになってきたタイミングで新車を購入する際に車両保険への加入を勧められて加入してから久しい。
車両保険は近年多くなっている、水害による車両水没や台風被害(飛んできたものでの車両損害)、落雷、竜巻、雪害被害などで使うことができる。ただし地震や噴火の被害では使えない。気候変動による自然災害から愛車を見守る意味で車両保険加入は有効手段といえるだろう。
さらに、近年ではクラッシャブルボディ設計により、コンパクトカーあたりでは全損事故扱いになりやすいので、その意味でも車両保険への加入が勧められるとのこと。また、残価設定ローンを活用して新車を購入する際も車両保険への加入が勧められる。
「そもそも、支払最終回に3年や5年後の残価相当額を据え置くので、残債が多く残りやすいなか、支払い開始直後に車両保険に加入していない状態で全損事故を起こすと目もあてられなくなります。多額の残債を残したまま、ファイナンス会社の判断次第でとなりますが、車両自体の処分ができても支払いを続けなければなりません。
つまり、自宅にナンバープレートを飾ったまま(抹消ができない)ローンを支払続けることになります。車両保険に入っていれば、ローンの完済ができ抹消手続きも完了し、再び出費とはなりますが新車に乗り換えることもできます」とは事情通。
車両保険に“車両新価特約”というものが設けられている。これは、特約で設定した協定新価保険金額の50%以上の修理費のかかる損害を受けた場合、新車価格に相当する保険金額が支払われるもの。
この特約がないころに、新車セールスマンは自分のお客で多額の修理費がかかる甚大なダメージを受けた場合、保険会社になんとか全損扱いにできないかと交渉することもあったと聞く。お客の負担軽減もあるが、新たな新車受注へつながるという意味もあったようだ。
車両新価特約は、もちろん契約者メリットという部分が大きいのだが、新車販売を刺激するという意味合いでも存在感を持つだろう。
任意保険は相手方への十分な補償をするためという意味で存在は大きいのだが、近年では自分の愛車にかかるコストやリスクをいかに分散させるかという意味でもその存在が大きくなっているように見える。
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