自動車の税金が日本は高すぎる。買うときも車両価格からあれよあれよでプラス20万円、ガソリンはほとんど税金だし、クルマを持っているだけでも税金がかかるし……。
クルマ離れなんて言っているなら少しは自動車ユーザーの税負担を考えろ!! と思うわけです。
しかも税金に消費税をかけるなんてことがまかりとおっていたり、古いクルマは重課税だったり、筋が通らないことが多すぎる!! クルマの税金は高すぎるぞ!!
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部、AdobeStock
ベストカー2018年8月26日号
■諸外国に比べても高すぎる日本のクルマ税
日頃、スタンドで給油している我々ドライバー、最近のガソリン代高騰も頭の痛い問題だが、そのガソリン代もがっぽり税金が取られているって知ってますか。
リッター150円のレギュラーガソリンの場合、税金だけで約56円(ガソリン税、石油税)。しかも頭にくるのはその約56円の税金にも販売する時は消費税8%をかけてくる。
「おいおい、本来のガソリン本体価格の94円に消費税かけるんならわかるけど、税金に重ねて税金かけんなよ」と、消費者として怒るのは当然だ。
これはガソリンに関する税の問題点だが、クルマにまつわる税金は、実に頭にくることばかり。豊田章男自工会会長が怒るのもよくわかる。
豊田会長が記者会見の時に持ち出した各国とのクルマに関する税金を比較した表が、上の【表1】。
新車価格180万円のクルマを13年間使用した場合の自動車関連諸税の合計は約170万円にもなり、保有段階における日本の税負担は、アメリカの約31倍、ドイツの2.8倍、イギリスの2.4倍にもなる。
その点フランスなんかはクルマを買う時に、付加価値税、登録税で40%近い税がかかるものの、その後はいっさい税金がかからない! なんてユーザーに優しいんでしょう。
さらに日々クルマを使うとすると、ガソリン代、高速料金、自動車保険などいろいろな経費がかかる。
それらを大まかに計算したのが上の【表2】。180万円の車両価格に対して、234万1320円もかかる。
さらにこれに駐車場代、点検整備代、オイルなどの消耗品代などは入っていないので、それらをプラスすれば、さらに金額は膨らむばかり。都心に住んでいたとすると、駐車場代だけで年間30万円以上は飛んでいく。
こうして日本の現状を見ていくとクルマを購入した時にイニシャルコストがかかるのはわかるが、ランニングコストにまで高額な税金がかかるのはクルマを所有する者にとって、かなり辛い。
■古いクルマへ増税する不思議
自動車税制の不思議は、ガソリン以外もある。
まずひとつ目が自動車取得税と重量税の矛盾。このふたつの税金は、本来、道路の建設や維持を行うための道路特定財源として設定されたが、道路特定財源は2009年に廃止。
本来ならとっくに課税の根拠を失っているのに、いまだ自動車ユーザーから徴収が続いている。しかも、道路を作るためだけではなく一般財源に切り替えられていることも問題。
国は「財政事情が厳しいから……」というが、なんでそれを自動車ユーザーに押し付けるのだろう。
そしてふたつ目が初年度登録から13年を超えた古いクルマへの増税。
13年を超えた乗用車の自動車税は約115%になり、軽自動車税は最大約180%まで増える。
さらに自動車重量税も同じで、小型/普通車では13年超が139%、18年を超えると154%にまで達してしまう。
これに対して国交省は、「エコカー減税と同様で、環境性能に優れた自動車に乗り替えることを促進するのが目的。
13年という期間は平均耐用年数と同等です」というが、クルマファンとしてはこの増税まったく理解できないはず。
国が「古いクルマなんかに乗ってないでさっさと新車に切り替えろ」と言っているようなもの。これじゃ自動車文化も育たない。
だいたいクルマファン以外でも13年超のクルマに乗っている人だってたくさんいる。人それぞれ事情があって古いクルマに乗っていることをお役人は理解しているのか?
地方に行くとクルマがないと身動き取れない人も多いぞ。これに対して、「新車が売れるからいいや」と自動車業界も喜んでないで、ぜひ反対してもらいたい。
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