乗って楽しい、眺めてワクワクするのがスポーツカー。でも実用面から言うと、厳しい面があるのも事実。
じゃあ、1年365日、24時間一緒に過ごせるような、わくわくするようなクルマはないのか? 毎日使いたくなるスポーツカーを考えてみた。
文:小沢コージ/写真:池之平昌信
BestCar PLUS 2016年7月18日号
楽しくて、実用性もあって……、そんな相棒こそ欲しい
スポーツカーこそ毎日乗るべしって説はまさにそのとおり。仕事でヘロヘロになって帰る時、誰かに説教垂れられてたまらない時、スポーツカーなら帰りの移動が少しでもハッピーになるという図式。
多少の眠気もスポーツカーなら吹っ飛ばせる。たまにある大きな贅沢より、毎日の小さな贅沢のほうが人生ハッピー。そういう意味では土日に乗るフェラーリより、毎日乗るロードスターのほうが、やはりステキだ。
そこで私、小沢は、ミニコンバーチブルを選んでみる。
えっ? ミニってスポーツカーなの? って意見はさておき、仕事で使える人なら、ミニコンバーチブルは毎日乗るクルマとしては破格におすすめ。実は自分でソイツを絶賛実行中なのだ。
大前提となる「運転の楽しさ」はミニシリーズなので当たり前にあるとして、まず全長4m以下で気がラク。デカいSUVを毎日運転することが気にならない人もいるが、小沢は小さければ小さいほど、毎日使うのにはいいと考える。
ミニコンバーチブルは、リアは狭いが短時間なら問題なしだし、小さな子どもなら楽勝。やはり毎日に乗ることを考えると、スポーツカーであっても4人乗りはマストだろう。
さらにミニコンバーチブルはトランク容量も215Lあって、適度なカバンはもちろん、ほかにサッカーボールをいくつか、その気になれば大型スーツケースもひとつは入る。
そしてなによりの魅力は、フルオープンになること。天気がよかった夕方とか、小沢がよく行く銭湯帰りの道のりなど、わずか5分でも開けて走ると「買ってよかった」って思わされる。日によって、状況によって、気分を変えられるというのは、毎日乗る上でとても重要だと思う。
ついでに燃費も悪くない。リッター平均13㎞ぐらいでプリウスには負けるけど、運転の楽しさを考えれば、これくらい走ってくれれば文句はない。
つまり毎日乗る上で、障害になるのは、デカくて駐車場から出しにくかったり、ドアがデカかったり、車高が低くて乗り降りしにくかったり、燃費が悪いこと。毎日運転する上ではその手の不都合がボディブローのように効いてくる。
どんな金持ちでもおそらく、ハイパワーフェラーリや激低ロータスに毎日乗るのはさすがに面倒くさい。それが真理だろう。
ただ最大のネックはイメージ。ミニコンバーチブル、実際は意外と仕事に使える。ただ仕事の業種によっては、やっぱり選びづらい面もあるのは確か。ま、俺たちみたいなテキトーな職業の人なら、毎日乗れますけどね。
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