1.8LのSPORTの走りは?
SPORTに搭載されている1.8L直噴ターボDIT(177ps/30.6kgm)は車重が1640~1660㎏と、ストロングハイブリッドに比べ110㎏軽いので、乗り換えると鼻先の軽さ、ハンドリングに軽快感がある。
4WDシステムはストロングハイブリッドとは違い、アクティブトルクスプリットAWD(ACT-4)を採用する。前60:後40のトルク配分を基本に、加速、登坂、旋回などの走行状態に合わせてリアルタイムにトルク配分をコントロールし、前輪のスリップを検知したときは、後輪へのトルクを増やして駆動力を確保できるよう制御する。
ストロングハイブリッドと同様、コーナーでアクセルオフにし進入していくと、アンダーが出るが、ここでもロールがやや抑えられており、安定している。
1.8Lの直噴ターボのレスポンスも鋭い。加速フィールは、さすがにストロングハイブリッドにはかなわないものの、軽さもあり、速く感じる。アクセルのON/OFFによる挙動の変化はそれほど大きくなく素早い。このあたりは先代からのシャシー性能の進化を感じる。
【画像ギャラリー】新型フォレスターのストロングハイブリッドの走りは忖度なしに超絶だった!!!!(29枚)画像ギャラリー乗り心地、静粛性は?
乗り心地についてはミュー(摩擦係数)の高いサーキットなのでなんともいえないが、ウエット路面で試乗した今回は、乗り心地はよく、ストロングハイブリッド、1.8Lターボともに上質だった。
振動や静粛性については先代よりもよくなっているのが明らかにわかる。これはインシュレーターや吸音材、フロアマット素材最適化などにより、加速時の車内音、走行時の静粛性を全面的に刷新している効果が出ているのだろう。
資料によれば、ストロングハイブリッドのリアダンバーはロッドを延長することによってダンパーの動き出しをスムーズにし、車重増に伴う横力時のフリクション荷重依存を減らし、低速から高速までしなやかな乗心地を実現しているとのこと。
いっぽう、現行1.8LDITにも採用している超飽和特性ダンパーは、ピストンのポート孔を縮小する改良を加え、操安・乗り心地性能と伸びきり音の両立を実現したという。
具体的には微低速域の減衰力を適度に持たせ、バタつきを抑え路面追従性を向上。中速域は減衰力を下げ、硬さを緩和し乗り心地性を向上。高速域は減衰力を上げ、伸びきり時の打音を改善。このあたりは今回、正直わからなかったので、一般道で進化ぶりを試したいと思う。
先代フォレスターオーナーの編集部員に聞いてみたが、「先代は多少乗り心地に粗さというか、大味なところを感じますが、新型は後席に乗っていてもクルマ酔いすることなく、静かで乗り心地がよかったです。上質です!」とのことだった。
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では最後に、エンジンフィール、ハンドリングのよさ、乗り心地の観点から、ストロングハイブリッドか、1.8L直噴ターボのどちらを選ぶか? と言われたらう~んと唸るほど悩んでしまった。どちらもハンドリングはいいし、腰高感はないし、運転していて楽しい。
よほど内燃機関のターボ、というこだわりがあれば別だが。もちろん、価格差も考慮しなければいけないが……。微低速域のハイブリッドのインバーター音は聞こえるものの、アクセルを強く踏んでも一歩遅れて段付き加速するようなこともないし、コーナー途中でロールが大きく、ヒヤッとすることもない。
プロペラシャフトがしっかりリアに駆動を伝えるので、ダイレクト感があって楽しい。最終的にはストロングハイブリッドでしょうか。
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コメント
コメントの使い方これぞ今の新生スバルですね。制御や足の味付けだけで整えるんじゃなく、シャシー性能や駆動系含めての総合バランスで動的質感を高める。
THSIIを出始めじゃなく、自然でスムーズ、非力感なくなってから採用したのも正解でしたし、
HVによるトルクupを感じさせるギリギリの所まで、燃費が下がってでもパワー側に制御を振ってますね。
これならHVをターボ的な+機構として、価値を認めてくれる人も多くなりそうです。