新型フォレスターを雨の袖ヶ浦サーキットで初試乗! 新型ストロングハイブリッドと先代マイルドハイブリッド、1.8Lターボを乗り比べ!! はたして加速フィール、ハンドリング、乗り心地、静粛性はいかに?
文:ベストカーWeb編集部/写真:大西靖、スバル、ベストカーWeb編集部
先代の2Lマイルドハイブリッドと新型2.5Lストロングハイブリッドを乗り比べ
新型フォレスターに新たに搭載されたストロングハイブリッドは、トヨタTHSIIをスバルの水平対向4気筒2.5Lを組み合わせ、独自にチューニングした、シリーズパラレル方式の2モーターのストロングハイブリッドシステム。ただし、4WDシステムはトヨタE-FOURの電気式ではなく、プロペラシャフトを付けたスバル独自のシンメトリカルAWDを組み合わせている。
先代フォレスターに搭載されている2Lのマイルドハイブリッドは145ps/19.2kgm+モーター13.6ps/6.6kgm、それに対し2.5Lストロングハイブリッドは160ps/21.3kgm+モーター119.6ps/27.5kgmを発生する。
アクセルを徐々に踏んでいくと走り出しからクルマの重さを感じる。たしかに1780㎏と1.8Lターボに比べて110㎏重く、先代の2Lマイルドハイブリッドのアドバンスから140㎏重いから当然と言えば当然。
しかしアクセルを強めに踏んでいくと、下からのトルクの盛り上がりがマイルドハイブリッドとは段違い。しかも、段付きがなくスムーズ、加速フィールはさすがストロングハイブリッドという感じだ。思わず「これだよ、コレ」と呟いてしまうほど。
まず中速コーナーをアクセルオフで進入する。車重の重さでアンダーステア気味になるが、滑り出しはマイルドで、ロールは浅く、終始安定しており、いわゆるお釣りはない。
コーナー出口でアクセルを思いっきり加速していくと、おお~立ち上がりの加速が気持ちいい! ボディがしっかり作り込まれているのを感じる。ラダーフレームではなく、モノコックだから堅い、頑強という感じではなく、しなやかにいなしていく感じだ。
新型フォレスターはリア回りのプラットフォームと、上屋の骨格との結合を強化したフルインナーフレーム構造を加えたスバルグローバルプラットフォームをフォレスター初採用。車体剛性そのものは6%の向上にとどまっているが、走らせてみると進化ぶりはそれ以上のものを感じる。
とはいえ、先代フォレスターの走りが悪いというわけではない。今回、比較車両として先代フォレスターの2Lマイルドハイブリッドに乗ったのだが、さすがにストロングハイブリッドに乗った後では、加速フィールに物足りなさを感じるものの、軽快感やロールしてからのリアの戻りの速さ、操舵の安定感など、どれをとっても実に良くできていて「侮れない」と感じた。
それを超える想定以上のよさがフォレスターのストロングハイブリッドに確実にある。開発責任者は、「ストロングハイブリッド化してもシンメトリカルAWDをしっかり入れてスバルらしさを出しています」と言っていたが、この新型フォレスターに乗っているとこれがSUVか? と運転中に感じるほど、アジリティ(俊敏性)をビシビシ感じた。
やはり4WDシステムが電気式ではなく、プロペラシャフトが入った機械式4WDというところが大きい。前後輪のミューが違ってもトルク移動の遅れがなく、しっかり後輪に駆動力をダイレクトに伝えるので挙動が安定。今回のウエットの路面状況でもスリップは起きなかった。新型ストロングハイブリッドの走りの魅力は、ここに集約しているように思う。
参考までにWLTCモード燃費はRAV4 E-FOURが20.3~20.6km/L、フォレスターは先代の2Lマイルドハイブリッドの14.0km/Lに対し、2.5Lストロングハイブリッドは18.4km/L(プレミアムグレード)、18.8km/L(X-BREAK)と、4.4~4.8km/Lも燃費が向上。RAV4よりも約2km/L燃費が悪い。
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コメント
コメントの使い方これぞ今の新生スバルですね。制御や足の味付けだけで整えるんじゃなく、シャシー性能や駆動系含めての総合バランスで動的質感を高める。
THSIIを出始めじゃなく、自然でスムーズ、非力感なくなってから採用したのも正解でしたし、
HVによるトルクupを感じさせるギリギリの所まで、燃費が下がってでもパワー側に制御を振ってますね。
これならHVをターボ的な+機構として、価値を認めてくれる人も多くなりそうです。