■「走り」はどう変わった?
今回のマイチェンでは、フロントウィンドウとリアゲートのガラスに、高剛性ガラス接着剤を使ってボディ剛性を高めたが、スポット溶接箇所を増やすような変更はない。それでもミニバンはウィンドウが広く、相応の効果が期待できる。
ショックアブソーバは、内部のバルブ剛性を高めて減衰力を見直している。さらに空力パーツも加え、スライドドアはシールの追加で遮音性を向上。また、16インチアルミホイールの形状も変更した。
試乗車はすべてハイブリッドでヴォクシーがZS、ノアはSiだ。両車ともにエアロパーツを装着して16インチタイヤを履く。エスクァイアは標準ボディのみでタイヤは15インチになる。
マイチェンで最も改善されたのは乗り心地。ヴォクシーとノアは改良後も少し硬いが、以前のバタバタした粗さは抑えた感じ。上質ではないが不快な振動が減っている。タイヤが路上を転がる時に発するノイズも少し消えている。
これは別の機会で試乗したガソリン車でも、同じような印象を持った。着実に進化しているといえよう。
15インチタイヤのエスクァイアGiは、16インチのヴォクシーとノアよりも、従来型と比べた時の乗り心地の向上率が大きい。引き締まり感は弱いが、路上のデコボコを上手に吸収する。16インチ装着車よりも快適だ。
その代わり、峠道を走ったり危険を回避する時は、ヴォクシーなどに比べてボディが大きめに傾く。それでもタイヤの接地不足はなく、背の高いミニバンのわりには安定性も満足できるから、乗り心地を含めて15インチタイヤのバランスはいい。
■細かい変更点もチェックします
エスクァイアは、Giプレミアムパッケージというグレードを追加。ヴォクシー/ノアでは選べないブランノーブと合成皮革のシート生地が採用されて質感が高い。
また専用装備として進行方向を照らすLEDコーナリングランプ、ステアリングヒーターなども装着。コーナリングランプは安全性を高めるので、幅広いグレードに採用してほしい。
ハイブリッド全車とガソリンエンジンを積んだエスクァイアGiには、センターコンソールボックスを採用。前後席の間を移動する時は邪魔になるが収納性は向上する。
また従来型では「ユニットの置き場所がない」という理由で用意されなかった100V/1500Wの電源コンセントが新設された。
ユニットはセンターコンソールボックスに収まり(電源コンセントを装着すると当然ボックス容量は小さくなる)、電源コンセントの差し込み口は、ボックスの背面と荷室に設置。
このほか助手席背面には格納式テーブルが備わる。セレナでは運転席の背面、2列目の背面にも装着されてテーブルは合計4つだが、今回の3モデルにはひとつだけ。トヨタ的節約なのか少し悲しい。
機能は幅広く充実しているが、緊急自動ブレーキを作動できるトヨタセーフティセンスCは新型でも歩行者を検知しない。フロントデザインが進化するのもいいが、安全面の進化こそ重要だろう。
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