VWの新生コンパクトSUV”T-Roc”を待ち受ける国内外のライバルに注目!!

 フォルクスワーゲンの新しいコンパクトSUV「T-Roc」が上陸。看板モデルのゴルフに近いサイズ感のスタイリッシュなスタイルに、燃費と性能を両立させたクリーンディーゼルエンジンを組み合わせたVWの自信作だ。

 しかし、人気カテゴリーとあって、日本にもライバルとなるSUVが存在。T-Rocを待ち構える。そんなT-Rocと国内外ライバルに注目してみた。

文:大音 安弘 写真:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン、BMW、マツダ、三菱自動車工業

【画像ギャラリー】スタイリッシュコンパクトSUV”VW T-Roc”とそのライバルたち


日本にジャストを強調するスタイリッシュなSUV

 輸入車の定番ブランドのひとつであるフォルクスワーゲンが、新たに送り出したコンパクトSUVが「T-Roc」だ。

 ボディサイズは、全長4240×全幅1825×全高1590mmと手ごろなもので、ゴルフハッチバックが全長4265×全幅1800mmなので気持ち大きい程度。このサイズなら、日本の狭い道にも対応しやすい。

 スタイリングは、弟分のT-CROSSのスポーティさを受け継ぎながら、力強いフロントマスクデザインと傾斜するテールゲートによるクーペライクなフォルムを与えることで、大人びた雰囲気を演出する。

 VW初のツートンルーフカラーの採用もトピックで、モデル全体では9色を設定。そのうちブラックを除く、8色に2トーン仕様を用意するこだわりようだ。

T-CROSSとティグアンの間に収まる日本にも丁度良いSUV「T-Roc」が上陸

 パワートレインは、クリーンディーゼルエンジンの2.0TDIのみ。これは兄貴分のティグアンでTDIの選択が多いことから、思い切って一本化したとのこと。

 最高出力150ps、最大トルク340Nmを発揮。トランスミッションには、DCTの7速DSGを組み合わせる。

 駆動方式は、FFのみとしたこともあり、燃費消費率は18.6km/L(WLTCモード)と、こちらもほぼゴルフと同等と優秀。

 価格は、384万9000~453万9万円となるが、装備の充実化が図られており、ACC、レーンキープアシスト、ブラインドスポットディテクション、リヤトラフィックアラート(ブレーキサポート付き)、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全運転支援機能、VW純正ナビゲーションシステム「Discover Pro」、ETC2.0車載機、デジタルメーター「Active Info Display」など、先進機能を積極的に搭載しているのもポイント。

 T-Rocで中心的な役目を果たしそうなのが「TDI スタイル デザインパッケージ」だ。

 エントリーグレード「TDIスタイル」の21万円高の405.9万円なのだが、リヤカメラ、LEDヘッドライト、フロントフォグランプ、スマートキー、パワーテールゲート、ルーフレール、17インチアルミホイールなどを追加した高コスパモデルとなっている。

迎え撃つ日本車SUVは!?

 T-Rocを検討する人は、サイズ感とスタイリッシュなデザイン。そして何よりロングドライブに最適なクリーンディーゼル車である点を重視するだろう。

 その中で最大のライバルとなりそうなのが、スタイリッシュなクロスオーバー「マツダCX-30」だ。

 CX-30のクリーンディーゼルモデルの最上級グレード「XD Lパッケージ」は、306.9万円とお手頃。流石に最上級グレードとあって、装備内容も充実している。

 メーカーオプションの360°ビューモニターとインフォテイメントシステム「マツダコネクト」をナビ化できるオプションのSDカードを選択すれば、必要装備のほとんどが揃う。

 何より内装もレザー仕様となり、ホイールも18インチ化。新世代マツダのスタイリッシュさを堪能できる仕様となっている。

 エンジンは、1.8Lの直列4気筒DOHCクリーンディーゼルターボ「SKYACTIV-D1.8」で最高出力116ps、最大トルク270Nmを発揮。

 トランスミッションは、6速ATを備える。燃費消費率は19.2km/L(WLTCモード)と、パワーでは負けるものの、燃費は有利。

 ただ静粛性と乗り心地に優れるCX-30のキャラクターを考えると、静かで主張の少ない「SKYACTIV-D1.8」の組み合わせは悪くない。また約24万円差で、4WDも選べる。

マツダのクロスオーバーモデル「CX-30」。マツダ3に続く、次世代モデルで多彩なパワートレインを揃える

 次点となるのが、やはりスタイルを意識したコンパクトSUV「エクリプスクロス」だ。最上級グレード「Gパッケージプラス」は、347.49万円。

 CX-30よりも高価だが、2.2L直列4気筒クリーンディーゼルと三菱のお家芸であるハイテクな4WDシステムを搭載する。こちらもSDナビゲーションシステムとマルチラウンドモニターが含まれる22万円のメーカーオプションを選べば、装備差が縮まる。

 エンジンスペックは、最高出力145ps、最大トルク380Nmと排気量が大きいぶん、トルクもアップ。

 燃費消費率は、14.2km/L(WLTCモード)と4WDであることもあり、やや落ちる。装備面ではちょっと弱さもあるが、オールラウンダーという面では、T-Rocに負けていない。

輸入車は人気者のあいつがライバル

 輸入車で最大のライバルとなりそうなのが、MINIクロスオーバーだ。日本人好みの緩く愛らしいMINIをSUV化したモデルで、意外にもT-Rocよりも少しだけ大きい。

 プレミアムコンパクト路線ということもあり、価格も高め。競合するのは、クリーンディーゼルのエントリー「クーパーD」で、419万円となる。

 かつてはオプションだらけのMINIだったが、近年は基本装備の充実化に力を入れており、クーパーDでも、ナビゲーションシステムやETC2.0車載機などを標準化。ACCや衝突被害軽減ブレーキなどを含む「ドライビングアシスト」など先進の安全運転支援機能も備わる。

 ただT-Rocなどと比べると、装備を同等にするには、複数のオプション選択が必要となるので、購入価格はもっと高価だろう。

 エンジンは、2.0L直列4気筒クリーンディーゼルターボで、最高出力150ps、最大トルク330Nmと性能も近い。

 トランスミッションには、8速ATを組み合わせ。こちらも前輪駆動車となる。燃費消費率は、WLTCモードは非公表だ。ただ本国では、改良型が発表されているだけに、さらなる進化も期待される。

MINI兄弟のクロスオーバーSUV「MINIクロスオーバー」。プレミアムモデルだが、勝負できる価格のクリーンディーゼル車「クーパーD」がある

まさに時代はSUV戦国時代

 クリーンディーゼルと価格を軸とすると、ある程度ライバルは絞られるが、人気のSUVで、予算も400万円前後となると人気カテゴリーということもあり、サイズやクラスを少し動かすだけで、さらにライバルはぐっと増える。

 まさにVWは日本のSUV激戦区へと勝負を挑んだわけだ。

 もちろん、充実装備とクリーンディーゼルは、T-RocのSUVとしての大きな武器となりそうだが、日本に丁度よいSUVを謡いながら、手頃なガソリン車や4WD仕様の設定がないのは、少し気になるところだ。

 とはいえ、トータルバランスに優れるVWが人気カテゴリーに新車種を投入したことを歓迎する人は多いだろう。T-Rocの登場が、SUVカテゴリーに更なる活気を与えるのか、その活躍に期待したい。

手頃なサイズ、充実装備、クリーンディーゼルで日本のSUV市場に勝負を挑む

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