2020年6月17日に正式発表、販売開始となった新型ハリアー。トヨタによると、7月16日時点での受注台数は約4万5000台を突破したという。この4連休の間にディーラーに行って見てみよう、試乗してみようという人も多いのではないだろうか。
4代目となるハリアーは、先に登場したRAV4とプラットフォームを共用しながら同時並行して開発が進められたことで、RAV4とは対極的な、スタイリッシュなクーペスタイルのSUVが作り上げられた。
価格設定も299万円(2Lガソリン・FF)からというまずまずのプライスで登場した新型ハリアー。その魅力とポテンシャルとを、公開試乗の様子を踏まえながら徹底解剖しよう!
【画像ギャラリー】エクテステリアからインテリア、RAV4との比較まで!!! ハリアーの魅力をギャラリーでたっぷりとチェック!!!
※本稿は2020年6月のものです
文・写真:ベストカー編集部/撮影:池之平 昌信
初出:『ベストカー』 2020年7月26日号
■RAV4とは対照的な「都会派SUV」を極める!!
以前ベストカーでは正式発表直前の新型ハリアーの「プロトタイプ」の緊急試乗を含めた紹介をお伝えしたが、4代目となる新型ハリアーが6月17日、正式に発表された。
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その姿は下の写真の通り、低く伸びやかなプロポーションで、歴代のどのハリアーよりも圧倒的にスタイリッシュ。

全長4740mm、全幅1855mm、全高1660mmは先代型と比べて15mm長く、20mmワイドで30mm低い。
実車を自然光の中、オープンスペースで見ると、それまで写真で見ていた以上に抑揚感あるボディパネルのラインが複雑な面を描き、エモーショナルなスタイルを印象付ける。


プラットフォームを共用し、同時並行的に開発されたRAV4と比べてもその違いは明らか。
2690mmのホイールベースは同じだが、全長は140mmも長く、逆に全高は25mm低い。RAV 4PHVとの並び写真を見ていただければその差がはっきりとおわかりいただけるだろう。

「RAV4はオフロードでのタフな走りを重視し、そのイメージを表現する力強いエクステリアにしました。RAV4があることで、こちらハリアーはSUVの基本となるスペースユーティリティを無視した、思いっきりスタイリッシュなクーペスタイルに挑戦できたのです」
両車の開発を統括する佐伯禎一統括部長の言葉が象徴的。

グローバルで年間90万台を販売するRAV4が下地にあればこそ、ハリアーでチャレンジングなクルマ作りができたということだ。
インテリアも対照的。明るくカジュアルなイメージのRAV4に対し、ハリアーはインパネやセンターコンソールの表皮にステッチを配したり、ワイドなセンターパネルを配したインパネデザインなど、上級サルーンのようなインテリアでドライバーを出迎える。



■まるでスポーティサルーンのような走り味
走り出すと乗り心地や操縦性にもRAV4との違いを感じる。RAV4では車体上物が高い位置で動く印象なのに対し、ハリアーはしっとりとダンパーで上物の動きが抑えられ、コーナリングでのロールも前後の動きが同期された、上質感ある乗り味。
RAV4がいかにもSUVらしい乗り味なのとは対照的に、ハリアーはスポーティサルーン的乗り味を演出している。

室内で感じる音も上級サルーンレベルに抑えられているが、RAV4に対しエンジンルームやキャビンフロア、ドア、タイヤ周りの吸音、遮音対策を綿密にしている効果だ。
ちなみに価格は2LガソリンのFFが299万円から、2.5LハイブリッドのFFが358万円、4WDが380万円からで、RAV4に対して30万~35万円プラスの価格設定。
佐伯氏は「防音対策やインテリアの質感、乗り味分です」と説明する。


前述のように、新型ハリアーのプラットフォーム、パワートレーンは基本的にRAV4と共通。
特にパワートレーンはまったく同じと言っていいのだが、「RAV4アドベンチャー」に採用されるトルクベクトルタイプの4WDはハリアーには採用されず、2Lガソリン車の4WDはRAV4では「アドベンチャー」以外で採用されるダイナミックトルクコントロール4WDとなる。
2.5Lハイブリッドの4WDは後輪モーター駆動のE-FourなのはRAV4同様だ。
新たなクーペSUVの世界こそ、新型ハリアーが作り出すジャンルとなる!


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