スポーツハッチは、走りの楽しさと実用性を両立する“羊の皮を被った狼”。
なかでも、VWポロGTIなどが属す『Bセグメント』は、日本での扱いやすさに優れた適度なサイズ感がすばらしい!! そんなBセグスポーツハッチの雄、ルノー ルーテシアRSが、7月6日にマイナーチェンジを受けた。
その新型に乗ると、改良前との“ある違い”、そして意外なオススメグレードが見えてきた!!
文:ベストカー編集部
写真:奥隅圭之
初出:ベストカー2017年8月26日号
入口価格は従来比で20万円以上安くなった!!
ルーテシアR.S.のマイチェンポイントは大きく4つ。
❶従来のシャシースポールとトロフィーに加え、2013年の発売当初にはあったシャシーカップグレードが復活。
❷シャシースポールが従来の307万円から284万円に大幅値下げ(ただし、受注生産で納期に半年くらいかかる)。
❸ポジションランプ/フォグランプ/ハイビーム/コーナリングランプとして機能するチェッカーフラッグ模様のR.S.ビジョンをフロントバンパーに設置。
❹6速DCTに、ブレーキング中にパドルを引き続けると複数段のシフトダウンをするマルチシフトダウン機能を追加─。
1.6L直噴ターボエンジン(シャシースポール、シャシーカップは200ps、トロフィーは220ps)とサスペンションは変更なしとのことだが、マイチェンしたかぎりはなんらかの進化があるはず。期待に胸を膨らませて走り始めた。
マイチェンで“しなやかな乗り心地”が薄くなった?
試乗車は新設定されたシャシーカップで、ルノージャポンではラインアップの6~7割を占めると予想している売れ筋グレード。
ナビゲーションはオプションになるものの、7インチのタッチ式スクリーンなどフル装備で309万円という価格は「おまえ、いいヤツだな」と思わせる。
走りは勝手知ったるルーテシアR.S.そのものだったが、唯一にして大きな印象の違いが……。それは路面の荒れをけっこうダイレクトに拾ってくること。筆者が大好きだった当たりの柔らかさがなくなっている!
相変わらずいい車なのだ。充分なパワーを持つターボエンジンと、R.S.ならではのコントロール性のいいハンドリング。また、6速DCTも小気味よく操作を楽しめるし、適度なサイズだからタイトなワインディングでも持て余すことがない。
緊急自動ブレーキやACC(先行車追従クルコン)などの最新装備は付かないものの、『スポーツハッチのお手本』的な走りは魅力たっぷりだ。
しかし、である。もしかして、筆者のこだわりが強すぎるのかもしれないが、路面の荒れをしなやかにいなしていたあの感覚がなくなっているのがどうにも腑に落ちない。
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