実は過去に実在!! 幻のM3ツーリングとは?
実は、BMW Mのツーリングワゴンは、今回が初でない。5シリーズツーリングをベースとした「M5ツーリング」が、1992年投入の第3世代ベースと2007年投入の第5世代ベースの2世代のみに投入されていた。
しかし、日本ではセダンボディのみが正規導入されてため、あまり広くは知られていない。
ただ3シリーズにも、「Mツーリング」が検討されたことがあった。それが2000年に発表された第4世代の3シリーズをベースとした「M3ツーリング」だ。
当時、走行可能な試作車まで制作され、ジャーナリスト向けの試乗会も実施されたというから、かなりの完成度だったのだろう。
また、量産化の検討まで行われ、既存のラインで3シリーズツーリングとともに、混流生産の検証まで行われたが、結果的にはお蔵入りに。幻のM3ツーリングとなってしまったが、その20年越しの夢が実現へと動き出しているのだ。
AMGやアウディには500ps級の快速ワゴンが存在
M3ツーリングが、まだ先となる投入を予告するほど気合たっぷりなのは、やはり身近なライバルの存在が大きいだろう。
ドイツには、同セグメントの高性能ワゴンが伝統的に存在するのだ。最大のライバルと目されるのが、メルセデスAMG C63だ。
パワーユニットは、より大型となる4.0LのV8ツインターボエンジンを搭載し、標準車が476ps/650Nm、強化仕様の「S」が510ps/700Nmを発揮する。こちらはワゴンながら、FRというストイックさだ。
もう1台が、アウディRS4アバント。2.9LのV6ツインターボを搭載し、最高出力450ps/600Nmを発揮し、お得意の4WD「クワトロ」を組み合わせる。つまり、これまでAMGとアウディが独占していた市場に宣戦布告をしたわけだ。
昨今は、高性能SUVの台頭もあり、高性能なユーテリティ車の存在も珍しくないが、高性能セダンの実力とワゴンの実用性のフュージョンは、合理的なドイツ人らしい発想が生んだ産物なのだろう。
新型M3ツーリングの登場は最短で2年後?
BMW M社は、M3ツーリングの開発は初期段階にあり、今後、約2年の時間が必要と言及している。
既に公道テストが開始されており、さらなる徹底的なテスト走行が繰り返される。もちろん、新型車開発の聖地ニュルブルクリンクも、その舞台のひとつだ。
エンジンスペックは、登場目前のM3セダンやM4クーペなどと共有されると思われるが、後席やラゲッジスペースも多用されるワゴンだけに、独自の味付けも施されるだろう。
また、直6エンジンによるバランスの良さやMTによる操作性など独自の個性を活かしたライバルとの差別化を如何に演出するかも興味深い。
どんな快速ワゴンとなるのか、妄想は膨らむばかりだが、今は最短で2年後となる登場の機会をじっくりと待つことにしよう。
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