ついにGRヤリス正式発表!! 最強WRカーの真価と抱える懸念

■GRヤリスの居住性、使い勝手は?

 モータースポーツ参戦を念頭に置いたGRヤリスとはいえ、一般ユーザーは普通に使うことがほとんどなだけに、居住性や使い勝手を紹介していこう。

 まず前席の快適性から。オーバーフェンダー装着のため全幅こそ1805mmながら、車両前半がTNGA-Bプラットホームとなるため、この全幅のわりに横方向はタイトな印象。

 運転席に座ってみると着座位置はスポーツモデルとしては高い感もあるが、ペダル配置は良好なので、スポーツ走行の際などにブレーキを掛けながらシフトダウンのためにアクセルを煽るヒール&トゥーもしやすいだろう(1.6L、3気筒ターボ+4WDのGRヤリスにはそういったことをクルマがやってくれる「iMT」も装備されているが)。また各部の質感も絶対的には安くはない価格相応に上々だ。

RZのインパネ。各部品やレイアウトはノーマル仕様ヤリスと共通のところも多い。「羊の皮をかぶった狼」のような感覚も受ける
RZのインパネ。各部品やレイアウトはノーマル仕様ヤリスと共通のところも多い。「羊の皮をかぶった狼」のような感覚も受ける

(3人掛けではなく)2人掛けとなるリアシートは、ルーフラインが車両後方にいくに従って下がるため頭上空間は狭いが、それ以外はまずまずのスペースが確保されている。まずまずのスペースを持つのはラゲッジスペースも同様だ。

 まとめるとGRヤリスはリアシートを使う頻度が少ないユーザーであれば、これ1台で問題ない実用性も備えており、この点はいい意味でトヨタらしい。

前席スポーツシートは普段づかいにも充分対応。後席は2座なのでその点は注意
前席スポーツシートは普段づかいにも充分対応。後席は2座なのでその点は注意

■GRヤリスのグレード構成と価格


 GRヤリスには2つのパワートレーンと4つのグレードが用意される。

●RS=265万円
 RSはGRヤリス拡販の目的もあり、「価格を含めGRヤリスの雰囲気や基本性能を比較的気軽に味わう」というコンセプトを持つグレードで、パワートレーンはヤリスと同じ1.5L、3気筒NA(120馬力&14.8kgm)+10速MTモードを持つパドルシフト付CVTを搭載。車体がGRヤリスなので車重は1130kgと軽くないため、速さはそれほどではない代わりにGRヤリスの基本性能の高さを余裕のように楽しめるだろう。

●RC=330万円
 ラリーやジムカーナといった競技に参戦ユーザーに向けた、1.6L、3気筒ターボ+4WDを搭載するベース車。そのためディスプレイオーディオ(モニター)がなく、ブレーキはホイール径の小さいラリータイヤの装着を想定し小型され、ホイール自体もRC以外のGRヤリスが18インチのところ17インチとなる。

 それでもオプションながらエアコンも装着でき、エアコン付ならオーディオがない以外は普段乗りもできるクルマ。また、メーカーオプションでRZ系と同じブレーキ&18インチホイール、インタークーラーの冷却スプレー、オフロード走行用トランスファーといったものが設定されるので、(「どのカテゴリーの競技に出場するか」という意味で)自分の使い方に合った仕様を選びたい。

●RZ=396万円
 1.6L、3気筒ターボ+4WDの標準グレード。「GRヤリスのRZを買ったら、自分でいろいろ手を加えていきたい」というカスタマイズ好きなユーザーなら、このグレードがいいだろう。

●RZ ハイパフォーマンス=456万円
 RZにBBS製鍛造ホイール+ミシュランパイロットスポーツ4S、トラクション(駆動力)を高める前後トルセンLSD、インタークーラーの冷却スプレーといった走りの装備や、豪華なプレミアムスポーツシートなどが加わる最上級グレード。

 1.6L、3気筒ターボ+4WDのGRヤリスを買うユーザーのなかで一番多いと思われる「一般的な街乗りで使う人」なら、このグレードが無難だ。筆者が納車を待っているのもこのグレードだ。

【画像ギャラリー】いよいよ全貌を明らかにした国産最強車 GRヤリスのカタログモデルを全部見る

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