■現行型の売れ行きと次期型はいつか
現在、エルグランドの販売は苦戦している。デビューから丸10年が経過しており、ハイブリッド仕様や「プロパイロット」などの先進安全技術といった「ウリ」の機能を与えられていないこともあって、苦戦が続く。開発期間や予算、優先度の問題があり、簡単にe-POWERやプロパイロットが装着できない事情もわかる(エルグランドのような日本国内販売が中心のモデルだと、グローバルモデルに比べてどうしても開発の優先度が後回しになるといった事情もわかる)。
それでも、同クラスのライバル、トヨタのアルファードは2020年1~7月累計販売台数4万5945台(月販平均5630台)に対して、同期間(1~7月)エルグランド2137台(平均267台)は寂しすぎる。
日産には技術があり、販売力もあり、潜在需要の高いジャンルで、営業マンが売りたくなる高額モデルであることも踏まえると、もうちょっと開発優先度を高めてもいいんじゃないか。なにより、どんなジャンルでも1位が強すぎると衰退するし、2位が頑張って追い上げると盛り上がる。
一部繰り返しになるが、現行型エルグランド(3代目)の登場は2010年8月。現時点でもう10年以上経過しており、そろそろ次期型モデルの開発の噂もあったが、今回やや大きめのマイナーチェンジを実施することで、次期型(フルモデルチェンジ)の登場は2022年以降となる見通しとなった。新型は(アライアンスを組んでいる)三菱のデリカD:5とプラットフォームを共有するはず。
次期エルグランドがどのようなモデルになるかは、現行型の売れ行きにかかっている。たくさん売れれば「このジャンルに投資する価値がある」と考えて、より商品力の高いモデルが出てくるだろう。それらも踏まえて、今回のマイナーチェンジで苦戦しているエルグランドの販売がすこしでも上向くよう願っています。
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