ビターラブレッツァとアーバンクルーザーの違いは?
本題となるアーバンクルーザーもOEMだけに、機能面はビターラブレッツァと共通。
大きな違いは、シートカラーがブラックとなるビターラブレッツァに対し、アーバンクルーザーはブラウンとなる点、フロントマスクを中心としたエクステリア、グレード構成の3つだ。
エクステリアは、グリル、フォグランプが入る位置、バンパー開口部が上下に大きいビターラブレッツァに対して横方向に大きいアーバンクルーザーという印象で、フロントマスクはアクロスとRAV4 PHVくらい違う。
リアビューの違いは、バンパー下部にあるシルバーのプロテクターくらいと、フロントマスクに比べれば小さい。
また、ボディカラーはともに9色だが、原色系が多いビターラブレッツァに対し、アーバンクルーザーはレッドがない代わりにブラウンがあるなど、落ち着いた印象だ。
グレード体系は、廉価版があるビターラブレッツァが4つなのに対し、アーバンクルーザーは3つとなり、価格も装備内容が近いグレードであれば同等だ(アーバンクルーザーは84万ルピー≒120万円から)。
なお、車名の書体と車名がランドクルーザーに似ているアーバンクルーザーだが、アーバンクルーザーという車名は、かつてトヨタにあったSUV的な要素もほのかにあったコンパクトカーであるイストの2代目モデルの欧州仕様に使われたもので、クルマのコンセプトになかなか似合っている。
欧州ではトヨタが、インド/アフリカではスズキがOEM供給
ここにきてアーバンクルーザーのOEM供給をはじめとしたトヨタとスズキの協業は活発になっており、発表されているものとすでに実行されているものは以下のとおり。
■トヨタ主導のもの
●2017年11月17日発表/インド向けEVの投入
2020年頃にスズキがインド向けに生産するEVにおけるトヨタの技術的支援、トヨタへの供給、充電施設や使用済バッテリーの適切な処理体制といった周辺環境の整備。
●2019年3月20日発表/トヨタの強みである電動化技術、電動車の供給
【1】グローバルでのスズキへのトヨタの2モーターハイブリッドの供給
これはマツダのアクセラハイブリッドや米国仕様のスバル クロストレック(日本名:XV)PHEVと同様だろう。その際には燃費向上のためハイブリッド用の熱効率の高いエンジンも欲しいところだ。
【2】インドでのハイブリッドシステム、エンジンおよびバッテリーの現地調達化によるハイブリッド技術の普及
【3】欧州でのスズキへの電動車のOEM供給
これはすでに発表されているRAV4 PHVベースのアクロスと、欧州向けのカローラツーリングスポーツベースのスウェイスだ
■スズキ主導のもの
【1】インドにおけるバレーノ(日本では販売終了、トヨタ名:グランツァ)、ビターラブレッツァ(インド名アーバンクルーザー)のOEM供給
【2】インドにおけるミドル4ドアセダン「シアズ」、ヒンジドアのコンパクトミニバンとなる「エルティガ」のトヨタへのOEM供給
【3】欧州でデンソーとトヨタが支援するスズキの新開発エンジンをトヨタのポーランドの拠点で生産し、トヨタの小型車に搭載
これは筆者の想像だが、欧州向けのトヨタ車には「アイゴ」というシトロエンとプジョーでもC1と108として販売される、トヨタ主導で開発されたコンパクトカーがあり(VW UP!などがライバル)、スズキの新開発エンジンはそのあたりのモデルにも搭載されるのかもしれない。
【4】アフリカでのインド製となるバレーノ(車名はスターレット)、シアズ、エルティガ、コンパクトSUVのビターラブレッツァのOEM供給
コメント
コメントの使い方