■試乗:新型レヴォーグ=「新世代スバル」の走りとは?
●松田秀士の評価
スバル車ってボクのなかでは応答性にこだわっていたメーカーという感じだった。いかに旋回時のヨーを早く発生させ、ステアリングを切った方向にボディを曲がらせていくか。要はスバル車の乗り心地についてはハーシュネスや突き上げ感が気になっていたんだ。アシが硬かったから。
ところが、今回の新型レヴォーグではコンベンショナルな標準サスもザックスの電子制御サスのどちらもものすごくコントローラブルに仕上げられている。
人って目で見てからコーナーでハンドルを切るように脳に指令が行くまで0.18~0.20秒のラグがあるんだけど、その初期にステアリングを切る時の「溜め」がきちんとできている。
トラクションを持ったリアの流れ方、上手にコントロールされたロールを作っているのが新型レヴォーグの走りの特徴だ。アシもちゃんと粘るし、スバルらしい進化と言えると思う。特にリアのインナー剛性を上げているのがSGP+フルインナーフレーム構造の恩恵だろうね。
●片岡英明の評価
従来型モデルに比べて2ランクくらい走りの実力を上げてきた感じ。個人的にはザックス製の電子制御サスを与えられたSTI Sportじゃなくても標準タイプで充分だと思った。
新型は従来型で感じられた曖昧さがなくなり、すべての動きが滑らかになっているんだよ。
従来型は動きにある種の癖があり、ドイツ車に比べてしっかり感や安心感の面で劣っている印象が否めなかった。
これが新型に乗り替えると、路面のいなし方がまるで違う。間違いなく欧州Dセグレベルに迫る、いや凌駕する領域かも。
フロアのしっかり感は段違いで、プラットフォーム自体も現行インプレッサの時から数段上げてきている。
1.8Lターボエンジンもトルクの出方がいい。最高出力自体は従来型の1.6Lから7psアップに過ぎないが、5kgm以上の最大トルク向上の効果は大きい。また、シートの出来も秀逸で横Gがかかった時のホールド性もかなりよくなっているのを実感。
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