ノートよりも走行性能がアップ!!
走りについては、ノートに比べて動力性能が強化された。
直列3気筒1.2Lエンジン/モーター/駆動用リチウムイオン電池などはノートと共通だが、制御を見直している。モーターの最高出力は、ノートは85kW(116馬力)だが、ノートオーラは100kW(136馬力)だ。最大トルクもノートは280Nm(28.6kgm)だが、ノートオーラは300Nm(30.6kg-m)に達する。
動力性能はノートでも充分な水準だが、ノートオーラはさらに余裕を与えた。ノートとの違いが特にわかりやすいのは、峠道などの登り坂などで、アクセルペダルを深く踏み込んだ時だ。強い加速力が維持される。この時には発電を行うエンジンの回転数も高まり、ドライバーの違和感を抑えた。
巡航中にアクセルペダルを踏み増した時も、ノートオーラはノートに比べて反応の仕方が機敏だ。ノイズも抑えられて快適性も向上させている。
走行安定性の違いにも注目したい。ノートオーラは全幅の拡大によってトレッド(左右のホイールの間隔)が20mm広がり、タイヤサイズも17インチ(205/50R17)になった。15/16インチタイヤを装着する5ナンバーサイズのノートに比べると、安定性を確保するうえで有利な条件がそろう。
そのためにカーブを曲がる時などは、操舵に対する反応がノートに比べて少し機敏だ。旋回軌跡を拡大させにくく、車両の向きも変えやすい。
そして危険を避けるために、下り坂のカーブでステアリングホイールを内側へ切り込みながらブレーキを掛けた時なども、ノートに比べて後輪の接地性が高く安定している。
後輪をモーターで駆動する「G・FOUR」になると、安定性がさらに向上する。後輪のモーターは、最高出力が50kW(68馬力)、最大トルクは100Nm(10.2kg-m)だからノートと同じ制御だが、安定性を高める効果は大きい。下り坂も含めて、カーブを曲がる時の4輪の接地性が一層高まった印象を受ける。
この点を開発者は以下のように説明した。
「モーターは駆動力の増減をエンジンに比べると素早くおこなえる。そのために前後のモーターを使った走行安定性を高める制御も、一層綿密になった。また4WDは後輪にモーターを搭載するから、重量配分のバランスも向上している」
ちなみにノートオーラの車両重量は、2WDは1260kg、4WDは1370kgだから、後者は110kg重い。
ノートオーラの特徴と最適なユーザーは?
以上のようにノートオーラは、ノートの上級シリーズであると同時に、走行安定性、運転のしやすさ、スポーティ感覚を向上させている。
そこはメリットだが、乗り心地には注意したい。やや上下に揺すられる印象が気になった。高い速度域では快適性と安定性が向上するが、40km/h以下で荒れた路面を走ると、乗り心地の粗さが気になる。どのクルマでも低速域の乗り心地は苦手だが、ノートオーラはプレミアム感覚のコンパクトカーとあって、快適性をもう少し向上させてほしい。
車両の性格を考えると、カーブを機敏に曲がるスポーティな感覚は、少し控えても良い。その替わり後輪の接地性を充分に確保したうえで、足まわりを柔軟に伸縮させて乗り心地を向上させたい。
WLTCモード燃費は、2WDが27.2km/L、4WDは22.7km/Lだ。ノートで売れ筋の「X」は、28.4km/L・23.8km/Lだから、ノートオーラの数値はノートに比べて4%ほど悪化する。
ノートオーラ「G」(2WD)の価格は261万300円で、衝突被害軽減ブレーキ、インテリジェントルームミラーなどを標準装着した。実際に購入する時は、運転支援機能のプロパイロット/日産コネクトナビ/SOSコール/BOSEパーソナルプラスサウンドシステムなどを含んだセットオプション(40万1500円)も加えるだろう。そうなると合計価格は301万1800円だ。
一方、ノートでは、売れ筋の「X」が218万6800円になる。そこにプロパイロット/日産コネクトナビ/SOSコール/インテリジェントアラウンドビューモニター/インテリジェントルームミラーなどを含んだセットオプション(42万200円)、LEDヘッドランプなどを含んだセットオプション(9万9000円)を加えると、総額は270万6000円だ。
そしてノートオーラ「G」の合計価格となる301万1800円から、ノート「X」の合計価格である270万6000円を差し引いた30万5800円が、ノートオーラの付加価値に支払われる対価だ。
この内訳は、質感を高めた3ナンバーサイズのボディと内装、前輪を駆動するモーターのパワーアップ、サスペンションの設定変更、BOSEパーソナルプラスサウンドシステム、17インチアルミホイールといった装備の上乗せに充てられる。
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