■快適性も重視したオールマイティな味付け
特筆すべきは、高性能ながら、快適性も重視していることだ。それを最も物語るのが、インテリア。シートはスポーツタイプではなく、「S」と同じコンフォートタイプを採用。もちろん、スーパースポーツのため、ホールド性に優れるものだが、乗降性もよく、長く愛せるアヴェンタドールが目指されたことがわかる。
インテリアの特別仕様として、シートに「ウルティメ」の刺繍が加わるほか、ダッシュボードには、限定車を示すシリアルナンバープレートも付属する。
メカニズムは、4WD+4WSを備えるのは、「S」同様だが、制御の最適化を図るなど、ファインチューニングが加えられている。これらの仕様から、最強エンジンを積みながらも、もっともオールラウンダーのアヴァンタドールに仕上げられていると断言していいだろう。
■残念ながらすべて完売! 幻のアヴァンタドールとなるかも……
最後のアヴァンタドールとなる「ウルティメ」は、クーペボディが350台。オープンモデル「ロードスター」が250台生産される予定だ。日本での価格は、クーぺが4958万4626円(税別)とロードスターが5442万2033円(税別)となる。
しかしながら、すべて完売済み。すでにベース車の「S」の受注も終了しているため、現状では新車のオーダーはできない状況となっている。
ラストアヴェンタドールとなる「ウルティメ」は、合計600台が生産されるわけだが、最後の最後のピュアV12ということもあり、購入者の多くは手放さず長く所有することが考えられる。
そのため、数の割には、手に入れることが難しい幻のランボになるかもしれない。ウルティメの生産は、今年末から開始される予定で、全世界の熱心なファンのもとに届けられることになる。
■実は、V12の系譜は終わらない!?
V12気筒のフラッグシップモデル「アヴァンタドール」の終売は、ランボルギーニファンだけでなく、スーパーカーファンにとっても寂しいニュースには違いない。
ただ悲観的なニュースばかりではない。ピュア12気筒の系譜こそ終焉を迎えるが、第2章として電動化のV12気筒エンジンのプロダクトが計画されているというのだ。具体的な仕様などは不明だが、ランボルギーニは同社のアイコンのひとつであるV12気筒を諦めてはいないようだ。
さらに朗報となるのが、2020年12月に、現代のランボルギーニを復活へと導いたステファン・ヴィンケルマンが社長兼CEOに復帰したことだ。ランボルギーニの魅力と顧客の求めるニーズを知り尽くす彼ならば、驚きの復活劇を描いてくれることだろう。
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