2017年に日本で復活したホンダの基幹車種シビックが、8月のフルモデルチェンジにより継続された。ただ、現在のシビックはボディサイズや価格が、日本人のイメージするシビックとは少し離れたものに感じるところがあることも事実だ。
しかし、海外で販売されるホンダ車を見ると、車名こそ違うにせよ日本人には「こちらの方がシビックらしいのでは?」と感じるモデルがある。それがタイなど東南アジア圏で販売されるシティハッチバックだ。
本稿では最近追加されたシティハッチバックのハイブリッド「e:HEV」の登場を期に、シティハッチバックを紹介していきたい。
文/永田恵一、写真/HONDA
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■ホンダのスペシャリティ「シティ」が歩んだ軌跡
シティは、1981年に登場し大ヒットした初代モデルが全高の高いトールボーイ、1986年登場の2代目モデルは全高が低くスペシャリティという、「同じ車名なのに180度違う」コンパクトカーだった。
日本で販売されたシティは、1996年に現在のフィットの前身となるロゴにバトンタッチ。以後、シティの車名は6代目シビックベース、それ以降は歴代フィットベースとなる東南アジア向けのコンパクトセダン(フィットアリアとグレイスの車名で日本でも販売された)に使われている。
セダンボディの現行シティは2019年に登場し、ハッチバックは翌2020年に追加されている。
■フィットよりひとまわり大きい現行シティハッチバック
ここではタイ仕様を例に挙げると、ボディサイズは全長4345mm×全幅1748mm×全高1488mm、ホイールベース2589mmと、フィットより一車格上となる小さめのミドルサイズカーというイメージだ。
しかし、プラットホームは、リアシートの座面を跳ね上げられ、高さのあるものも運べる点などからセンタータンクレイアウトらしく、フィットのものを拡大して使っているようである。それだけにシティハッチバックはボディサイズの割に広いクルマとなっている点が大きな特徴と思われる。
その意味ではシティハッチバックは、2005年登場の初代と2012年登場の2代目モデルがあり、日本にも初代モデルのスポーツモデルとなるタイプRユーロが導入されたことがある、いわゆる欧州シビックの現代版的存在とも言えるのかもしれない。
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