ロールス・ロイス 新型「スペクター」2023年冬登場!! 名門の意地と伝統が詰まった超弩級クーペとは?

ロールス・ロイス創業者の理想がついに現実のものに!!

 ロールス・ロイスのEVは、クルマ好きからみると、一つの時代の終焉という寂しさを感じるが、同社にとっては、長年の理想の実現でもあるという。ロールス・ロイス社を設立者の一人であるヘンリー・ロイス卿は、元々、電気技師であり、発電機や電動クレーン用モーターの開発と製造で成功を収め、自動車に関心を持ち、開発と製造を手掛けた人物であった。

 そして、共同創業者であるチャールス・ロイス卿は自動車販売業を手掛けていたビジネスのプロであり、1900年に「コロンビア」と名付けられた初期の電気自動車を体験し、電気駆動こそクルマの理想であると公言していたという。

 さらにロイス卿は、「電気自動車は、音もなくクリーンな乗り物。匂いもせず、振動もない。定置式の充電ステーションが整備されれば、かなり便利になるだろう。しかし、今はあまり役に立たないだろう。使い物になるまでには、少なくとも何年もかかるだろう」との見解を示しており、電気自動車の可能性を見抜いていたようだ。

 電動機を知り尽くした男と、電動車の可能性に夢を感じていた二人が手を組んで生まれた自動車メーカー「ロールス・ロイス」は、常に最高の自動車を目指してきたメーカーだけに、技術的に電動化が可能となった今、この流れは必然的といえるようだ。

 それを示すように、2011年には、フルEVとなったファントム「102EX」を、2016年には、フルEVのコンセプトカー「103EX」を発表している。

BMW i7で推測!! ロールス・ロイス新型EV スペクターの性能とは

BMWが2022年4月20日に発表した新型7シリーズの電気自動車モデル「i7」
BMWが2022年4月20日に発表した新型7シリーズの電気自動車モデル「i7」

 さて気になるのは、スペクターの性能だ。先にも述べたが、現時点での具体的な情報はないが、その推測に最適なモデルが存在する。それが「BMW i7」だ。皆さんのご存じのとおり、現在のロールス・ロイス社は、BMW傘下にあり、その最高潮となる技術を共有している。

 そこで詳細が発表されている大型電動セダン「i7」の情報を探ってみると、2023年後半の投入が予告されるフラグシップ「xDrive70」は、前後にモーターを搭載する4WD車で、トータル最高出力600ps越え、最大トルクは1000Nm越えと予告。

 BMWの公道向けモデルのなかでは最もパワフルなモデルとなるという。その実力は、0-100km/h加速は、4.0秒以下と、スーパーカー並みだ。航続距離については、不明だが、既に情報が公開されている1つ下となるグレード「i7 xDrive60」では、101.7kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離は590~625km(WLTP)とされている。このため、モーター性能は、i7 xDrive70と同等以上。航続距離に関しては、「i7 xDrive60」と同等付近と予測する。

 正直、EVにはデメリットもあるのが現実。特に充電管理は、オーナーの面倒な仕事のひとつであるが、そこはショーファードリブンでもあるロールス・ロイスである。多くのユーザーは、愛車の日常的な運航や管理を先任者に任せていることも多い。また出向くラグジュアリーな施設でも、富裕層EVオーナーの快適性を高めるべく、今後、快適な充電サービスなども用意されることも予想される。 エグゼクティブな人々に愛されるロールス・ロイスだけに、おもてなしがしっかりしたEV環境が展開されれば、電動化はユーザーに恩恵しか生まないのかもしれない。

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